TOPSoftware > 「Office for iPad」の登場で企業向けモバイル関...

Software

「Office for iPad」の登場で企業向けモバイル関連市場が激変か(前)

2014/05/13

Tom Kaneshige CIO

 Office for iPadの登場によって、企業向けのモバイル関連市場が大きく揺さぶられる可能性があるのは間違いない。その根源は、Microsoftがかつてと同じような戦略を取ったことにある。すなわち、圧倒的勢力を誇るソフトウエアを利用して、関連する市場を一網打尽にするという戦略だ。具体的に言うと、Office for iPadと連携できるサービスは同社のものに限定されている。クラウドサービスの「Office 365」や、クラウドストレージの「OneDrive」だ。同社が発表したMDMサービス「Enterprise Mobility Suite」との連携も考えられる。

 「実のところ、この戦略は非常に賢明で巧みだ」とCohen氏は言う。Harmon.ieのコラボレーションアプリは一歩引いた立場にあり、MobileIron、Good Technology、Microsoftをはじめ、関係各社と強固なパートナーシップを結んでいる。

 一体化された統合スイートがよいのか、それとも個別アプリをうまく組み合わせて使うのがよいのかという論争に一石を投じるOffice for iPadだが、企業のCIOにとっては惹かれるものがある。何しろ、Officeは既に広く普及しているし、iPadは急速に勢力を拡大している。それに、サードパーティーのクラウドストレージやMDMサービスはどれも似たり寄ったりだ。

 待望の声が強かったOffice for iPadは、3月の公開直後からタブレット界で一大ヒットとなった。BYODというトレンドの中、タブレット端末では、1台のデバイスの中に仕事と遊びが混在していることも少なくない。

 Office for iPadにも弱点はあるが、大きなシェアを誇るOfficeの勢いはすさまじい。同アプリのダウンロード数は公開から1週間で1200万を超えた。ただし、アプリ自体は無料ながら、Office for iPadで文書の作成や編集を行うためには、年間100ドルのサブスクリプション料金がかかる。一方、AppleのiWorkは、新規購入のデバイスには無料で搭載されている。既存のデバイス向けに購入する場合はアプリ1本当たり10ドルだ。

 あらゆる面から考えて、今後は、Wordの文書、Excelのスプレッドシート、PowerPointのプレゼンテーションをiPadで扱う機会が飛躍的に増えることになりそうだ。

既存のオフィス系アプリ、クラウドストレージ、MDMには大打撃か

 気の毒なのは、iPad向けにオフィス系アプリを提供してきたサードパーティーだ。こうした企業の黄金期は、MicrosoftがiPad用Officeを提供するかどうか言葉を濁していた頃だった。だが、Satya Nadella氏が同社CEOに昇格し、モバイルデバイスからクラウドに至るまでの戦略が激変した。そのクライマックスがOffice for iPadの登場だ。サードパーティーのオフィス系アプリには大打撃となる。

翻訳:内山卓則=ニューズフロント

↑ページ先頭へ