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米芸能事務所CIOの体験に学ぶ「ローグクラウド」の実態(中)

2014/06/04

Tom Kaneshige CIO

 IT部門の知らないところで社員が利用しているクラウドサービスは、「ローグクラウド(無許可クラウド、野良クラウド)」と呼ばれる。ローグクラウドは企業のセキュリティ体制に大きな穴を開ける。会社に深刻なリスクをもたらし、CIOには頭の痛い問題だ。

前回から続く)

 例えば、ローグクラウドサービスの中には、ファイル/同期/共有関連と分類されたものが約60あった。こうしたサービスでは、機密性の高い企業データがやりとりされる可能性もある。Keithley氏はRFPを作成し、「Box」の採用を決め、企業向けのライセンス契約を整備した。さらに、Boxをシングルサインオンに統合したうえで、人事システムにプロビジョニング機能と接続機能を追加した。これで、新入社員にBoxのアカウントが自動で付与されるようになった。

業務部門の賛同を得る

 Keithley氏は、こうしてパッケージ化したBoxを、業務部門の幹部などのキーパーソンに宣伝し、ローグクラウドではなくこのBoxを利用するよう売り込んだ。幹部たちもこれに賛同した。こうしてKeithley氏はクラウドの実現役になった。CIOは自らの役割が変わりつつあることを認める必要があると同氏は言う。そして、自ら進化を果たさなくてはならない。そうしないと、お役御免になってしまう可能性もある。こうなったら、CIOは「career is over(キャリア終了)」の略だ。

 もちろん、CIOが進化を果たし、テクノロジーと業務に精通したコンサルタントとしてクラウドを実現する役に変わるというのは、口で言うほど簡単なことではない。しかも困ったことに、CIOの業務知識に対する認識にはギャップが見られるようだ。

 米Red Hatが2014年5月に発表した調査結果によると、IT部門の幹部のうちで、会社の業務に対する自らの知識を「非常に優れている」または「優れている」と回答した人は78%に及んだ。また、業務部門から上がってくる新たなアイデアに対する自らの受容性についても、「非常に優れている」または「優れている」とした回答は66%に上った。しかし、ローグクラウドの利用が爆発的に増えていることから考えると、業務部門の幹部がCIOをどう認識しているかがよく分かる。すなわち、向こうとしては、CIOはビジネスプロセスを理解していないと認識しており、決定に関わらないでもらいたいと思っている。

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