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ソーシャルメディアとプライバシーの複雑な連鎖(上)

2014/06/09

Matt Kapko CIO

 最近、データブローカー(個人情報販売業者)の実態が明るみに出るようになり、その活動に対する認識が広まってきた。これに合わせて、ネット上の自らの個人情報を取り戻すための行動を起こす消費者も増えている。ソーシャル化やネットワーク化がますます進む一方で、自らの情報を一切共有したくない、あるいは共有するデータをできるだけ少なくしたいという新たな切望が見られる。

 ここ10年ほどの間に、ソーシャルメディアの浸透が当然のように進んだことで、因果関係の複雑な連鎖が生じた。プライバシー管理やセキュリティの影響、あるいはネットで世界が常につながっていることの社会的影響が必然的に生じる中、当初はソーシャルメディアに否定的な見方をしていた人が、後に熱心な支持者や完全なヘビーユーザーに変わったり、逆に後から否定的になる人が出たりした。

 最初は10~20代の若者たちの間で始まった現象が瞬く間に拡大して、デジタルデータの巨大な集積場へと変わり、現代社会に良かれ悪しかれ影響を及ぼしている。プライベートの細かな部分や心の奥底をネット上で共有するという、非常識とも思えた行為は、今や新たな習慣として染み付いた。これを受けて、より多くを知りたい、注意を払っておきたいという方向へと世間の意識が変わり始めたのも、つい最近のことだ。

 こうした変化の責任や原因がすべてソーシャルメディアにあるわけではない。買い物、コミュニケーション、教育をはじめ、生活を一変するサービスの数々でオンライン化が進んでいる。消費者たちはその流れに乗っただけであり、その中で利便性を獲得している。

 スマートフォンや、広告で運営されている必須サービスが使えなくても構わないと考える消費者は、割合としては少ないだろう。しかし、不合理な形や完全に不快な形で個人的価値と相反する広告を目にした時に、広告が持つべき一線への疑問を抱く消費者は増えている。特に米国では、自国の政府が幅広い監視を現に行っている社会の合法性に疑問を抱く人も増す中で、広告へのそうした疑念や反感がくすぶっている。

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