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ネット中立性が企業にもたらす問題とは(上)

2014/06/30

Jonathan Hassell CIO

 現在、ネットの中立性は重大な局面に差し掛かっている。しかし、筆者が企業のIT担当幹部にこれまで接してきた中では、この問題がインターネットや市場全体に及ぼす影響についてきちんと理解している人はあまりいなかった。これまでネット中立性について考えたことがなかった人も、今こそ目を向けるべき時だと指摘していきたい。

ネット中立性とは何か

 本質的には、ネット中立性の根幹にあるのは、インターネット上を流れるパケットはあくまでパケットだという原則である。ネット中立性の規範を遵守しているISP(インターネットサービスプロバイダー)は、パケットが動画のストリーミング配信であろうと、メールであろうと、SharePointのアップロードであろうと、FTPのダウンロードであろうと、特に関知しない。いずれも単なるトラフィックにすぎない。こうしたISPにとっては、トラフィックはすべて同じだ。

 加えて、ネット中立性とは、インターネットにアクセス可能なすべてのユーザーが、どのプロバイダー経由でもデータにアクセスできるということも表している。トラフィックの発信元に応じてプロバイダーがアクセスやサービス品質に差を付けることはしないということだ。

 ネット中立性という考え方は以前から存在したが、インターネットやWebで提供されるサービスが次第に増え、他のネットワークや伝送システムの利用が減ってきたのに合わせて、ますます本流となってきた。だが、インターネットで配信されるコンテンツがあまりに増えたことで、ネットワークプロバイダー間の既存の相互接続容量は飽和しつつある。そうした混雑の原因となっている一握りのコンテンツ配信者に恩恵をもたらすためだけに、自ら費用を負担して処理能力を強化することについて、プロバイダーの多くは消極的だ。

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