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SalesforceのSlack買収、両社にもたらすメリットは

2020/11/30

Salesforceが買収に動いた理由は

 CRMソフトウエアを主軸としてきたSalesforceは、Slackの買収元としては一見そぐわない印象もある。

 米S&P Global Market Intelligence傘下の451 Researchのシニアアナリスト、Raul Castanon氏は言う。「今回の報道で最初に抱く疑問は、なぜSalesforceがSlackの買収に関心を示すのかという点だ。Quip買収のような例もあるとはいえ、プロダクティビティツールやコラボレーションツールは、同社の中核領域からは外れている」

 Quipは、共同作業向けのプロダクティビティツールで、Salesforceは2016年に同社を買収した。ほかにもSalesforceには、従業員のコラボレーションに関するプロダクトとして、ソーシャルネットワークツールのChatterや、コミュニティツールのCommunity Cloudなどがある。しかし、同社の守備範囲を営業以外にも拡大するという面で、いずれも大きな成果を上げてはいないとAshenden氏は指摘する。

 ここでSlackを買収できれば、顧客対応のためのツールから守備範囲を広げ、従業員コラボレーションの市場に力を入れるための手段が直ちに得られる。

 「これまでITベンダーは、どちらか一方に比重を置いていることが多かったが、顧客はその両方を必要としている」とCastanon氏は言う。「それぞれの核となる能力を組み合わせ、包括的なアプローチを実現することで、顧客体験を大きく変えられるかもしれない」

 Ashenden氏は次のように話す。「Slackの買収は、こうした面で大きな推進力になる。Slackの連携性やアプリの方向性は、Salesforceの戦略にもうまく合う」

 従業員間のやりとりと、従業員対顧客のやりとりとの隔たりをなくすという発想は、まったく新しいわけではないとCastanon氏は指摘する。その例として同氏は、米Twilioが新たに発表した顧客対応アプリ「Twilio Frontline」を挙げる。一方で同氏は、「顧客対応と社内コミュニケーションが交わる部分は未開拓で、チャンスにあふれている」と見る。

 またSlackは、オープンなコラボレーションの実現にも取り組んできた。今年リリースした新機能「Slackコネクト」は、パートナー企業や顧客企業といった外部企業とのコラボレーションを進めやすくするための機能だ。

 「Slackコネクトが持つ可能性や、B2Bのコラボレーションネットワークの構築は、Salesforceのセールスイネーブルメントの方向性とうまく合致するはずだ」とAshenden氏は言う。

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