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SalesforceのSlack買収、両社にもたらすメリットは

2020/11/30

Microsoftに対する競争力が向上

 買収が両社にもたらす大きなメリットの1つとしては、Microsoftに対する競争力の強化がある。

 Salesforceによる買収でSlackが得るものは大きい。コラボレーションツールやプロダクティビティツールの分野の一大勢力であるMicrosoftに対抗していくための足場が強固になる。

 Microsoftは、2017年にリリースしたTeamsへの大規模な投資を続け、Skype for Businessからの移行を促し、さまざまな新機能を矢継ぎ早に投入してきた。現在では、Teamsの日間アクティブユーザー数は1億1500万人に及ぶ。Microsoft 365のサブスクリプションに加入していれば追加料金なしで利用できることが、Teamsの大きな強みだ。この点から、エンタープライズ市場でTeamsの導入は大きく広がった。

 「Slackの立場で見れば、現在Microsoftからの猛攻に直面していることは明らかだ。大企業の傘下に入ることはプラスになるかもしれない」とCastanon氏は言う。

 Slackの導入を再び加速させるという面でも、Salesforceは力になれるかもしれない。当初は急速に拡大してきたSlackだが、この1年半はそのペースが鈍化している印象だとAshenden氏は話す。また、新型コロナウイルスの影響でリモートワークへの移行が急速に進む中でも、Slackが得た追い風は他のベンダーに比べて控えめだった。

 「ビジネスで次なる高みを目指すSlackにとっては、市場へのリーチを拡大したり、プロダクトへの投資の機会を増やしたりする手段が必要だ。独立した企業としてそれを実現するのは、かなりハードルが高い」とAshenden氏は言う。

 Salesforceは買収を積極的に進めてきた企業で、大型買収の経験も豊富にある。2019年にはデータ可視化ツールを手がける米Tableau Softwareを153億ドルで、2018年には連携プラットフォームを手がける米MuleSoftを65億ドルで、それぞれ買収した。買収元がSalesforceとなれば、顧客企業に安心感を与えられそうだ。とはいえ、Slackの買収額は、これまでの事例を大幅に上回る可能性が高い。

 Salesforceにとっては、Slackをどのような形で既存の事業と統合するかという点も、検討事項の1つとなる。これまでの大型買収と同じように、当面は付かず離れずの独立した部門として事業継続を認める可能性も考えられる。

 今回の買収話が現実になるとしたら、顧客企業にもメリットがありそうだ。

 「当然、SalesforceのさまざまなプロダクトとSlackとの連携がこれまでより密接になる。SlackとSalesforceの両方を既に導入している企業も多いはずだ。こうした企業にとっては、連携の強化は間違いなくプラスに働く」とAshenden氏は言う。

(了)

翻訳:内山卓則=ニューズフロント
記事原文(英語)はこちら

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