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セキュアな選挙は実現できるか?大統領選候補者らの対策案を評価(下)

2019/08/02

J.M. Porup CSO

 米国の電子投票インフラは、滑稽なほど安全性に欠ける。だが、セキュリティ専門家たちは、問題の解決策を知っている。足りないのは、解決に向けた政治的意志だけだ。この問題に関しては、解決を目指して連邦議会に提出された法案がいくつもある。また、大統領選の候補者からも、複数の提案が出ている。その中に、米国の選挙のセキュリティを本当に確保できる案はあるのだろうか。今回CSOでは、いくつかの案を分析し、評価を下した。

前回から続く)

大統領候補Andrew Yang氏のブロックチェーン案:評価F

 Andrew Yang様:

 あなたが打ち出したブロックチェーンの案は、馬鹿げているの一言だ。ブロックチェーンは、わが国の選挙を守るための解ではなく、一笑に付すに値する。あなたのような本気の大統領候補が、そのような案を言い出すとなると、それ以外にあなたが打ち出している政策にも、眉をひそめずにはいられなくなる。

 投票率の上昇のためという、それ自体は立派な目標ではあるものの、見当違いの方向から、あなたは「モバイルデバイスからの投票はできてしかるべきだ。検証はブロックチェーンで行う」などと提案をしている。だが、秘密投票制が民主主義の礎なのには理由がある。自分の票を売る人が出てくるのは時間の問題だ。あるいは、特定の候補に投票するよう、暴力的な配偶者やパートナーから強要される人も出てきそうだ。

 「ブロックチェーンで投票」という案はどれも、秘密投票の欠如という点が根底にある。米VotingWorksの最高経営責任者(CEO)でソフトウエアエンジニアのBen Adida氏は、2017年のブログ記事「Blockchain and Voting」の中で、秘密投票に不可欠な要件を3つ挙げている。強制的な秘密性(自分がどう投票したかを示す手段がないこと)、個人の検証可能性(自分の票が正しく記録され数に加わったことを、一人ひとりの投票者が確信できること)、全体の検証可能性(すべての票が正しく集計され、正当な有権者のみが1票を投じたことを、すべての人が確信できること)の3つだ。

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