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エンプロイーエクスペリエンスの重要性(中)

2019/09/04

Sharon Florentine CIO

 エンプロイーエクスペリエンス(従業員経験価値)は、最高情報責任者(CIO)にとっても人事担当幹部にとっても、重要事項の1つとなっている。米Gartnerが人事担当幹部843人を対象に実施した調査でも、2019年の重要な施策トップ10の中でエンプロイーエクスペリエンスは第3位に入り、企業の目標を達成するうえで極めて重要だと回答した人が51%に上った。この記事では、エンプロイーエクスペリエンスが持つ意味や、企業に及ぼす影響、従業員に価値ある体験を提供するための施策などに関する話題を見ていく。

前回から続く)

Credit: Dorian2013 / Getty Images

 期待に沿えなかった時には、心理的契約が破られ、従業員と会社との関係が悪化し始めるとLindley氏は言う。こうして信頼がなくなると、社員が転職を考えるようになり、多くの企業にとっては人材維持の問題につながる。

 こうした問題に対処するうえで、個別具体的な要素に注目する企業は多い。例えば、士気を高めるためのチームビルディングの活動や、給与アップ、報酬の増加など、その場しのぎの対処法で社員との関係へのてこ入れを目指したりする。だが、その効果は一時的なものにとどまる場合もあるとLindley氏は指摘する。根本的な課題は、全体としてのエンプロイーエクスペリエンスの質の低さにあるからだ。

 「人は瞬時に判断を下す。オンボーディングのプロセスから、管理者の人当たり、職場の仲間に至るまで、ごく短い時間で全体としての印象を抱くようになる。つまりは、実際に起きていることが事前の想定と合致しているかどうかを知る。事前の想定との間に食い違いがあれば、エンゲージメントやモチベーション、ロイヤルティは決して生まれないし、士気は決して上がらない。土台となる契約が破られているからだ」

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