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AIに文章を書かせてはいけない理由(前)

2019/09/17

Mike Elgan Computerworld

ビジネスライティングを侵食

 AIを使ったビジネスライティングのメインストリーム化が始まったのは、4年前に米Googleが導入したSmart Reply機能からだ。Google Inboxに届くメールの多くで、無味乾燥な返信の候補がいくつか表示されるようになった。この機能は今もGmailにある。「ありがとう」「送ります」「金曜日にしましょう」というような返信を、クリック1つで入力できる機能だ。

 昨年には、Smart Compose機能も加わった。人間が打ち始めた文の続きを考えてくれる機能だ。Tabキーを押せば、表示された候補をそのまま入力できる。

 Smart ReplyもSmart Composeも、時間の節約につながるが、面白みのない返信になる。理由の1つは、誰も不快に思わない汎用的な返信文となるように、Googleが万全を期していることだ(例えば、男女を区別する代名詞「he」「she」は決して使われない)。もう1つの理由は、膨大な数のGmailユーザーの返信が、まったく同じ言い回しになることだ。全員の言葉が同じように響く。

 Googleだけではない。「Lightkey」はGoogleのSmart Composeと同じような機能を提供するWindowsアプリケーションだ。

 「Quillbot」はクラウドベースのツールで、自分が入力した文(あるいは他人の文章からコピペした文)を別の表現に変えてくれる。生成される文はぎこちない言い回しになることが多い。機械には語感がない。

 「StoryAI」は、出だしを入力すると文章を書き上げてくれるツールで、OpenAIをベースにしている。筆者は試しに、本コラムの冒頭部分をコピペして、続きを生成してみた。StoryAIが考えた文章筆者が書いた文章とで、出来栄えを比べていただいてもよい。

 経済ニュースに関しては、悲喜劇的な状況も生まれている。主に人間が読むための経済記事をAIが書く一方で、別のAIがそういう記事を解析して、自動取引システムの入力データとして使っている。AIが文章を書く。AIが文章を読む。そしてどこかの時点で、AIは人間抜きで取引を進め、儲けを独り占めにする。

 文章の自動執筆は、今後さらに進化するのみならず、人間が文章を書くツールにますます組み込まれていくことになろう。文章作りは機械に任せようという誘惑は、今後大きくなる一方だ。そこに何か問題があるだろうか。

翻訳:内山卓則=ニューズフロント

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