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大規模アジャイル開発の導入を成功させるには(前)

2019/09/25

Moira Alexander CIO

SAFeのメリット

 SAFeでは、大規模な企業や組織が、スクラムやカンバンのメリットをスケーラブルに生かすことができる。プロジェクトマネジメントの俊敏性が高まり、複数のグループのステークホルダーがフィードバックをスピーディーに得られる。フィードバックループの加速でエンゲージメントのレベルが上がり、生産性、仕事のやりがい、作業の質も高まる。

SAFe、DAD、LeSS

 SAFeは、多数のアジャイルチームにわたる整合性、チームワーク、プロビジョニングに照準を合わせたフレームワークだが、大規模な企業や組織でアジャイルをスケールするためのフレームワークとしては、Large-Scale Scrum(LeSS)やDisciplined Agile Delivery(DAD)も広く知られている。それぞれのフレームワークを理解して、自社のプロジェクトにとって最適な手段を選べるようにしておくことが重要である。

  • SAFe:アジャイルソフトウエアシステム開発、システム思考、リーンプロダクト開発という3つの主要な知識体系にフォーカスして考案された。アジャイルの手法をスケールするためのアプローチとして広く認知されている。
  • DAD:方向付けからデリバリーまで、プロダクトのエンドツーエンドのライフサイクルに主眼を置いている。基本原則として、顧客を喜ばせる、卓越を目指す、実用本位、コンテキスト重視、選択は善、フローの最適化、エンタープライズ意識という7つがある。
  • LeSS:自分の担当部分という見方ではなく、すべてのチームの注目をプロダクト全体に向けることに主眼を置いている。

 この3つをはじめとして、アジャイルをスケールするためのフレームワークの詳しい比較については、CIO.comのこちらの記事も参考にしてほしい。

SAFeの原則

 SAFeの土台には、リーンとアジャイルの既存の原則に由来する9つの重要な原則がある。

  • 1:経済的な視点から、できるだけ短いリードタイムでできるだけ高い品質と価値を実現する。
  • 2:開発のあらゆる面にシステム思考を取り入れる。
  • 3:市場にも技術にも変化は付き物という前提に立って、複数の選択肢を持ち続け、イノベーションを促す。
  • 4:インクリメンタルな構築に、スピーディーで統合された学習サイクルを組み込むことで、顧客のフィードバックを可能にし、リスクを抑える。
  • 5:動作するシステムに対する客観的な評価をマイルストーンの基盤とすることで、経済的メリットを確実なものにする。
  • 6:仕掛り中の作業を把握し、バッチサイズを減らし、待ち行列の長さを管理することで、継続的なフローを実現する。
  • 7:リズム(タイミング)を取り入れ、ドメイン間の計画策定を交えた同期を行うことで、ビジネス機能を把握し、必要に応じた是正を可能にする。
  • 8:ナレッジワーカーに内在するモチベーションを解き放ち、まだ見ぬポテンシャルを発揮させる。
  • 9:意思決定を分散することで、俊敏性と効果を高める。
翻訳:内山卓則=ニューズフロント

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