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オープンソースソフトウエアに広告、実験的取り組みの背景は(前)

2019/10/01

Matt Asay InfoWorld

 オープンソースソフトウエアは、今やなくてはならない存在だ。それならば、開発者を支援する方法もいろいろあるかと思いきや、そうではない。確かに、Kubernetesのように大きな金が動く大規模なプロジェクトであれば、資金調達はさほど難しくはない。だが、JavaScriptのスタイルガイド、リント、フォーマットに広く使われているライブラリ「Standard」では、そう簡単ではなかった。

Credit: Thinkstock

 そこで、Standardの開発者の1人であるFeross Aboukhadijeh氏は、広告を使って資金を得るモデルを実験的に取り入れた。しかし、否定的なフィードバックが殺到し、実験を終了した。

 オープンソースの持続可能性への懸念が仰々しく取り沙汰されている昨今だが、オープンソース開発者の財政的自立の実現に関しては、とりわけ大きな関心を向ける必要がある。状況を好転させるためにどうすればよいのか、いくつかの点を見ていくことにする。

持続可能性の先へ

 まずは、広告モデルを使ったStandardJSの実験的な資金調達をAboukhadijeh氏自身が振り返った総括を見てみよう。「持続可能性という言葉の意味するところは、最低限の生活の糧だ。だからこそ、『オープンソースの持続可能性』という、よくある表現は理想的ではない」。つまり、開発者たちの関心は、生活に事欠くほどの低賃金でどうにか活動を続けて新たなコードを1行追加することにあるのではない。「オープンソースに携わる人たちには、豊かになる権利、労働に対して正当な報酬を得る権利がある」と同氏は記している。

 もちろん、10万ドル超の報酬を得ることを権利として持つ人はいない。だが、さまざまな形態と規模の企業に対して、その額以上の貢献をしている開発者たちからすると、人々にとって不可欠なコードを開発する時に、最低生活賃金で耐え忍ばなくても済むようにしたいというのは、決して高望みではない。そのような状況は、当のオープンソース開発者たちはもとより、そのコードをビジネスの支えにしている企業にとってもよいことではない。我々がオープンソース開発者にさらなるイノベーションを期待するのであれば、我々は対価を支払うべきだ。

 問題は、その手段である。

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