TOPSoftware > AIに対する企業の期待、いくぶん現実的に(前)

Software

AIに対する企業の期待、いくぶん現実的に(前)

2019/10/08

Matt Asay InfoWorld

 筆者は以前、AIに対する企業の期待が現実離れしすぎているという話を、2017年3月の記事で取り上げた。だが、Deloitteの調査レポート「State of AI in the Enterprise, 2nd Edition」によると、最近はようやく、現実的な見方が広がってきたようだ。AIに取り組むうえで、輝かしい金字塔を目指すのではなく、比較的ハードルの低い成果に照準を合わせる姿勢が見受けられる。

Credit: Thinkstock

 このDeloitteのレポートは、米国企業の幹部1100人を対象として2018年第3四半期に行った調査に基づいている。これを読むと、企業がAIに対して本腰を入れつつある様子が分かるが、その一方で、首をかしげたくなるようなデータもまだ見られる。

ROIの度合い

 このレポートによると、AIへの投資でリターンを獲得できたとの回答は実に82%に上った。もちろん、リターンの度合いはさまざまだ。ROIが相対的に高かった業種は、テクノロジー/メディア/エンターテインメント/通信、プロフェッショナルサービス、産業用製品だった(産業用製品は、投資額は低かったが、リターンは高かった)。一方、ROIが相対的に低かったのは、ライフサイエンスとヘルスケア、政府、金融サービス、コンシューマー製品だった。だが、ROIが相対的に低いといっても、リターンがゼロだったわけではない。AIに投資した企業のほとんどが、満足感を示している。

 ところで、そのリターンは、何から得ているのだろうか。

 生産性の低い社員をようやく首にできたから、ということではない。Deloitteが前年(2017年)に行った調査の結果と比べてみると、自社にとってのAIのメリットとして「自動化を通じた人員削減」を挙げた割合は、22%から24%へと、わずか2ポイント増えただけだった。一方で、人員削減のように論争を招くことはなさそうな「社内業務の最適化」を挙げた人は、36%から42%へと6ポイント増えた。おそらくは、こちらの方がメリットは大きいだろう。

↑ページ先頭へ