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AIに対する企業の期待、いくぶん現実的に(後)

2019/10/10

Matt Asay InfoWorld

 つまり、競合他社に後れを取っている企業は1つもないことになる。どうやら、AIに関しては、全員が平均点以上らしい。確かに、この調査に回答した1100人が、それぞれ異なる業界の大物企業に属し、残りのすべての企業が、AIの加勢を得たこうした大物に席巻されそうになっている可能性も、絶対ないとは言えない。しかしやはり、その可能性はない気がする。あくまでひょっとするとだが、追いついたと答えた16%は、実は追いつけていないのかもしれない。拮抗していると答えた20%は、先を越されているのかもしれない。残りも同様だ。

 次なる驚きの数字も、同じようにバラ色の色眼鏡で見ていることが理由かもしれない。翌年(2019年)にAIへの投資を増やすつもりとの回答が88%に上り、10%以上増やす予定との回答も実に54%を占めた。先ほど紹介したとおり、少なくとも半数の業種では、ROIは低めだったはずだ。どうやらそのことは、支出増への熱意を損なう理由にはならなかったようだ。だがDeloitteによると、投資収益を正確に把握するために必要なKPI(重要業績評価指標)を測定している企業は、今回調査した中では半数に満たないとのことなので、悩む必要はないかもしれない。

 つまりは、「当社のAIへの投資が成果を上げているのかどうか知らないが、希望的観測では成果が上がっているので、もっと燃料を投下する」ということである。期待される便益に対して、もっと現実に即した合理的な考え方をしなければ、こういう救いようのない見方に簡単に陥ってしまうだろう。華々しい金字塔に目を向けるのではなく、まずは社内の業務プロセスの段階的な改善に照準を合わせていけば、いずれは本当に金字塔への投資もできるようになるはずだ。現時点での賢明な投資が結果につながる。

(了)

翻訳:内山卓則=ニューズフロント
記事原文(英語)はこちら

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