TOP > クラウド > 企業の包括的なデータ資産管理を支える、データガバナンスとは(...
関連カテゴリー: マネジメント
企業の包括的なデータ資産管理を支える、データガバナンスとは(下)
2020/03/06
企業のデータ資産を、どのような権限のもとで社内の誰が統制し、どのように利用するかを明確に定義しておくことは、重要な意味を持つ。それを体系的に確立するのがデータガバナンスだ。データ資産の利用、管理、保護に必要な人やプロセス、テクノロジーについて包括的に規定することになる。
(前回から続く)
データガバナンス組織の構成

データガバナンス組織の構成は、企業ごとに違いがあるが、「Get Governed:Building World Class Data Governance Programs」の著者であるMorgan Templar氏によると、一般的には次のような役割で構成されている。
ステアリングコミッティー:CxOレベルの役職者や業務部門担当バイスプレジデントなどの経営幹部らで構成される。全社規模のデータガバナンスの出発点として、次のような職責を負う。
- 具体的な成果を伴う包括的な戦略を策定する。
- データスチュワードの活動に対するチャンピオンの役割を果たす。
- ガバナンス組織の責任においてスケジュールや成果を達成する。
データオーナー:特定のデータドメインのデータに対する責任を負い、担当するドメインの情報が複数のシステムや業務部門にまたがって確実に統制されるようにする。一般には、ステアリングコミッティーのメンバーであることが多いが、投票権は持たない場合もある。次のような職責を担う。
- データグロッサリーなど、データの定義を承認する。
- 会社全体で使用する情報の正確性を確保する。
- データ品質に関する直接の活動を行う。
- マスターデータ管理のアプローチ、成果、活動に対するレビューと承認を行う。
- 他のデータオーナーと協力して課題を解決する。
- データスチュワードが特定した課題の2次レビューを行う。
- 担当のデータドメインに関係するソフトウエアソリューション、ポリシー、法的要件の情報をステアリングコミッティーに提供する。
データスチュワード:データの日々の管理に対する責任を負う。内容領域専門家(SME:Subject Matter Expert)として、情報の意味と利用について理解し伝達する。社内の他のデータスチュワードと協力して、データに関する主な意思決定や課題解決の運営主体としての役割を果たす。次のような職責を負う。
- 自らのデータドメインのSMEとなる。
- データの課題を特定し、他のデータスチュワードと協力して解決にあたる。
- データスチュワードのカウンシルのメンバーを務める。
- データポリシーやコミッティーの活動について、提案、議論、投票を行う。
- データドメイン内のデータオーナーや他のステークホルダーに報告する。
- 複数の業務部門間で組織横断的に連携し、担当するドメインのデータの管理と理解がきちんと行われるようにする。