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イノベーションを創出するデザイン思考とは(後)

2020/03/18

Sarah K. White CIO

 デザイン思考は、ユーザーのウォンツとニーズに主眼を置いてデザインとイノベーションにアプローチする適応的かつ反復的なプロセスである。デザイン思考の方法論では、問題を解決する方法は1つではないという認識のもと、多種多様な意見やアイデアを受け入れる環境を作り出し、質問、試行、観察、変革を促していく。企業にとっては、業界の変化やテクノロジーの進化が続く中でイノベーションを生み出していくための手法になり得る。

前回から続く)

デザイン思考のプロセス

Credit: Jolygon / Getty Images

 デザイン思考には、次に挙げるようなプロセスがあり、チームとしてこれらを行き来しながら、解決策やプロダクトを生み出していく。厳格に定められた手順としてではなく、構成の大枠として捉え、ニーズに合わせて柔軟に進める。

  • 着想:問題や機会を理解するプロセス。デザインの出発点となることが多い。どこから始めればよいかという枠組みや、前進を測るための指標、実現すべき目標などについて扱う。
  • 共感:デザイン思考の中で、共感は特に重要な意味を持つ。解決策、プロダクト、サービスをデザインする時には、顧客やエンドユーザーの見方をありのままに理解する必要がある。
  • 発案:アイデアを構築するプロセス。拡散的思考と収束的思考を行き来して、できるだけ多くのアイデアを生み出す。拡散的思考では、多種多様な人々が参加してブレインストーミングを行う。収束的思考では、遂行していくのにふさわしい、特に優れたアイデアに狙いを定める。
  • 実現とプロトタイピング:優れたアイデアを形にしていくプロセス。プロトタイピングを通じて、アイデアを具体的なプロダクトやサービスに変え、テスト、評価、改良を加えていく。

デザイン思考と共感

 デザイン思考では共感が重要な要素となる。顧客やユーザーのウォンツとニーズを考えることが、最良のプロダクト、ソフトウエア、サービスの開発につながる。顧客の生活を便利にする方法や、プロダクトの楽しさ、実用性、効率性、使いやすさを高める方法を理解するという方向でのアプローチが求められる。インタフェースや物理的製品の美しさといった面だけではなく、人々がテクノロジーをどのように使うか、その体験から何を得たいと考えているか、利用者にとって有意義な体験をどのように創出するかを考える。

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