TOPSoftware > 新型コロナによって露呈した米国テクノロジーの現実(前)

Software

新型コロナによって露呈した米国テクノロジーの現実(前)

2020/05/12

Steven J. Vaughan-Nichols Computerworld

 いま米国で職を失った人は、古めかしい失業保険給付システムと対峙することになる。まるで1950年代に作られたような印象のシステムだ。いや、単なる印象ではない。ニュージャージー州やニューヨーク州、コネチカット州の失業保険システムは、誕生から60年を迎えたCOBOLでなんとか動いている。またワシントンDCでは、失業保険をオンラインで申請するには、Internet Explorer(IE)を使うよう求められる。確かIEは、5年前にお払い箱になったのではなかったか。

Credit: Gerd Altmann

 本記事執筆時点では、新型コロナウイルスの感染者数と死者数の両方で、米国は世界最多となっている。世界一豊かな国なのに、どうしてパンデミックへの対応がこれほどまずかったのか、疑問に思っている人は多い。だが、もう1つ考えた方がよさそうな疑問がある。世界一のテクノロジー先進国なのに、どうして一部のシステムはこれほど後進的なのかという点だ。

 理由の1つは、米国がデジタル革命のかなり早い段階でIT化を始めていた点にあるかもしれない。例のCOBOLのコードをはじめ、当時作られたプログラムの中には、更新されずじまいになっているものも多い。

 だが、現在我々が目の当たりにしているのは、壊れかかった時代遅れのソフトウエアがいまだに屋台骨を支えているという現実だけではない。最新鋭のソフトウエアも同じく問題をはらんでいる。ビデオ会議プラットフォーム「Zoom」は、大人気を博していた状況から一変して、セキュリティやプライバシーの問題に対する批判の声がやまなくなった。Zoomがもたらした新たな種類のセキュリティ問題は、その名を冠して「Zoom-bombing(Zoom爆撃)」と呼ばれている。

↑ページ先頭へ