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ハイブリッドマルチクラウドについての考察(上)

2020/08/31

Isaac Sacolick InfoWorld

 自社のデータセンターでIT運用に長年携わってきた人に聞けば、パブリッククラウドよりプライベートクラウドが優れている点を数多く挙げることだろう。信頼性、スケーラビリティ、セキュリティなどの理由を挙げて、インフラの選択、展開、統制を自ら管理することで高い水準を実現できると主張しそうだ。

Credit: Thinkstock

 一方、最高情報責任者(CIO)に聞けば、プライベートクラウドやハイブリッドマルチクラウドアーキテクチャーが検討に値する理由を挙げることだろう。パブリッククラウドの料金の柔軟性や、レガシーシステムを今後も長期にわたって稼働する必要性、データセンターの長期契約などの点に言及しそうだ。大企業のCIOの多くは、パブリッククラウドアーキテクチャーよりもデータセンターの利用経験の方が豊富で、特定のパブリッククラウドベンダーへのロックインは避けたいという意識もある。

 大企業には急激な方向転換は難しい。そこでCIOは、ビジネスへの効果や価値実現までの時間を踏まえて、アプリケーションのモダナイゼーションの優先順位付けを考える必要がある。米The CTO Advisorの共同創業者であるKeith Townsend氏は、例えばOracleアプリケーションをAmazon RDSに移行する場合と、それに要する人材を別のビジネス活動の新規アプリケーションの開発にあてた場合とで、最終的に得られるビジネス上の価値は果たしてどちらが大きいかという問題を提起している。

 また、ソフトウエア開発者に聞けば、パブリッククラウドにデプロイするアプリケーションやサーバーレスアーキテクチャーの方がよいという人が多いだろう。CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)によるデプロイの自動化や、IaC(Infrastructure as Code)によるインフラの構成を利用でき、低レベルなインフラのサポートは、パブリッククラウドベンダーやクラウドネイティブのマネージドサービスプロバイダーに任せられる。

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