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ハイブリッドマルチクラウドについての考察(中)

2020/09/02

Isaac Sacolick InfoWorld

 米Hewlett Packard Enterprise傘下のCloud Technology PartnersのEd Featherston氏は、ハイブリッドクラウド戦略の定義について次のように指摘する。「すべてはトレードオフだ。目標を達成するうえで優先すべき項目と妥協できる項目を追求する必要がある。デザインやプランニングはやはり欠かせない。こうした点を考慮に入れておかないと、実装は失敗に終わる」

 この部分について、もっと掘り下げてみたいと思う。新しいアプリケーションやマイクロサービスにパブリッククラウドを選ぶ理由はたくさんある。では、新しいアプリケーションやサービスの構築やデプロイにプライベートクラウドを利用するのが最善なのは、どのような場合だろうか。運用上の考慮事項にとどまらず、プライベートクラウドが技術面や競争面でメリットをもたらすようなユースケースを探りたいと筆者は考えた。

データグラビティとレイテンシー

 TensorFlowベースの大規模な機械学習モデルのデプロイには、パブリッククラウドが最善の策だと思うかもしれない。Amazon SageMakerやAzure Machine Learning、またGoogle Cloud Platform(GCP)のTensorFlow Enterpriseはいずれも、データサイエンティストがディープラーニングモデルの実験、開発、テスト、デプロイを行うための選択肢となる。だが、こうしたパブリッククラウドを利用するのが常に最善だろうか。

 例えば、自社のデータセンターの複数のデータウエアハウスやデータレイクに格納されている数ペタバイトのデータセットを使って、30日ごとに機械学習モデルを再トレーニングする必要があるとしたらどうだろうか。一連のデータをすべてパブリッククラウドに移動し、モデルをそちらでトレーニングする方が、効率性やコストパフォーマンスに優れているだろうか。データの場所に近いプライベートクラウドでモデルをトレーニングするのと、どちらがよいだろうか。

翻訳:内山卓則=ニューズフロント

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