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ハイブリッドマルチクラウドについての考察(下)

2020/09/04

Isaac Sacolick InfoWorld

 だが、設計上の考慮事項として、生命や身体の安全が対象に加わるとなると、捉え方が変わるかもしれない。例えば、病院は医療システムをオンプレミスで稼働するよう求める。パブリッククラウドの障害でロボット支援手術が中断しては困るからだ。あるいは、スマートビルやスマートシティの設計では、プライベートクラウドとパブリッククラウドの間でサービスを戦略的に分散させるよう考慮する必要がある。人命に関わる可能性のあるサービスの導入にはハイブリッドモデルを考えるはずである。

現実世界とデジタル世界が重なる部分

 今後10年間で、現実の世界とデジタルの世界をつなぐアプリケーションがますます増える。エンタープライズアーキテクトは、ユーザー体験、パフォーマンス、信頼性、スケーラビリティ、保守性など、現実世界とデジタル世界が重なり合う部分のパラメーターの増加に合わせて最適化したハイブリッドアーキテクチャーについて考える必要がある。

 米Rockwell Automationのエンタープライズアーキテクチャー担当バイスプレジデント、Todd Mazza氏は、次のような見解を示している。「我々の製造現場には、今後5年程度はハイブリッドやパブリッククラウドへの移行は考えないであろう部分もある。しかし、プロダクトのリリース数の増加、信頼性の向上、コストの削減を実現できることを示せば、ハイブリッドへの進化をスピードアップできるかもしれない」

 IoT、5G、AIを大規模に活用するアプリケーションをさまざまな企業が開発するようになる中で、アーキテクチャー、クラウド、インフラに関する判断が重大な意味を持つケースは、今後ますます増えていく。PoCや軽量モバイルアプリをパブリッククラウドで実装するという判断は簡単かもしれないが、ミッションクリティカルなアプリケーション、生命や身体の安全にかかわるアプリケーション、データ集約型のアプリケーションには、ハイブリッドマルチクラウドが必要になる。

(了)

翻訳:内山卓則=ニューズフロント
記事原文(英語)はこちら

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