TOPNetwork > 技術企業で広がるリモートワーク、居住地や働き方にも変化の兆し...

Network

技術企業で広がるリモートワーク、居住地や働き方にも変化の兆し(前)

2020/09/29

Scott Carey InfoWorld

 こうした企業は、最初からリモートワークを意図的に取り入れており、きちんと体系化したリモートワークの原則を土台に据えることで、求めるものを明確にし、離れた場所にいても全員が共通認識を持てるようにしている。例えばGitLabには「Remote Manifesto」があるし、Zapierも、リモートワークに速やかに移行する方法についてWade Foster最高経営責任者(CEO)がまとめたブログ記事をはじめ、さまざまなコンテンツがある。

 だが、昔ながらの企業の場合、こうした変化はなかなかハードルが高い。影響を考慮すべき点も多く、特に給与、生産性、無駄になるオフィス経費について考える必要がある。

働き手の意識の変化は

 テクノロジー人材の求人プラットフォームを手がける米Hiredが6月に発表した調査レポート「2020 State of Salaries Report」によると、世界のテクノロジープロフェッショナルの55%は、会社が在宅勤務を恒久化したとしても給与が減ることは受け入れられないと回答した。また、リモートワークかどうかにかかわらず、同じ仕事には同じ給与が払われるべきだと考えている人が90%に上ったが、生活費への考慮から、地域調整は支持するとの回答は40%だった。

 それでも、在宅勤務が恒久化するとしたら、今より生活費が安い街に移る可能性が高いと回答した人は53%に上った。総合的に考えると、開発者の労働市場は、リモートワークに対して次第にオープンになりつつあり、また、物価が安くワークライフバランスに優れた街で暮らす機会が得られつつある。

 この調査結果をさらに詳細に分析した「Compensation Trends Report」によると、フルタイムの在宅勤務に切り替えるよう会社から指示された場合に転居するかどうかについて、生活費が安い街に引っ越すとの回答は、サンフランシスコ・ベイエリアに住む人では42%、ニューヨークに住む人では40%だったのに対し、英国在住の人では33%にとどまった。

 不動産検索サイトを手がける米Zillowが8月に発表した市場調査レポート「2020 Urban-Suburban Market Report」によれば、2020年上半期はサンフランシスコで前例のない流出が見られ、売り物件数は前年比96%増だった。同市に住むテクノロジーワーカーは、ベイエリアの高額な家賃からの脱却を図っている。英ロンドンでも、ロックダウン後に同市からの脱出を考える中間層の自宅所有者の間で、同様の関心が高まった。

 米Business Insiderの5月の記事によると、プロフェッショナル向けの匿名フォーラムBlindが4400人を対象に実施した調査では、サンフランシスコ・ベイエリアに住むテクノロジーワーカーの3分の2は、リモートワークという選択肢が得られたらベイエリアからの転出を考えると回答している。

 Hiredのレポートによると、米国在住者が転居先として挙げた都市の上位は、シアトル、ロサンゼルス、オースティン、サンディエゴなど、テクノロジーハブの2番手集団の都市だった。ロンドン在住者が挙げた欧州の転居先の上位は、ベルリン、パリ、アムステルダム、バルセロナ、マドリード、マンチェスターだった。

翻訳:内山卓則=ニューズフロント

↑ページ先頭へ