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3大クラウドが注力するエッジコンピューティング(後)
2020/10/08
米Amazon.comの「Amazon Web Services(AWS)」、米Googleの「Google Could」、米Microsoftの「Microsoft Azure」という3大パブリッククラウドが、エッジコンピューティングに対応するサービスやプロダクトを次々と投入している。この動きを意外に思う人もいるかもしれない。エッジコンピューティングと聞くと、IoTデバイスの数々とつながった小型のデータセンターを、クラウドではなく企業ネットワークの端(エッジ)に配置する構成がイメージされるからだ。
(前回から続く)

AWSも、Azureと同じようなラインナップのサービスやプロダクトを展開し、エッジデータセンターや通信事業者のネットワークでAWSのサービスを活用できるようにしている。
- 「AWS Local Zones」によるエッジデータセンターのサポートが始まった。現在はロサンゼルスでのみ利用できる。
- 「AWS Wavelength」では、低遅延が求められる5Gデバイス向けアプリケーションを稼働できる。コネクテッドカー、AR/VRアプリケーション、スマート工場、リアルタイムゲームなどでの利用が考えられる。
- AWS Wavelengthの提供に関して、AWSは米Verizonと提携した。現在、ボストンとサンフランシスコ・ベイエリアで利用できる。
AWSが提供しているエッジ向けアプライアンスには「AWS Snow」ファミリーがある。最も小型の「AWS Snowcone」は、2つのvCPUと4Gバイトのメモリーを備え、エッジでのデータストレージとデータ転送を主な用途とする。また、大量のメモリーを使用するデータ処理や機械学習のアプリケーションをエッジに展開する場合には、「AWS Snowball Edge」が適している。「Storage Optimzed」と「Compute Optimized」の両モデルがあり、vCPUは最大52個、メモリーは最大208Gバイト。
一方、「AWS Outposts」は、データセンターに設置する42Uの製品で、大規模なアプリケーションの稼働に適している。EC2の各種インスタンスタイプのほか、コンテナ(Amazon ECS)、Kubernetes(Amazon EKS)、データベース(Amazon RDS)、データアナリティクス(Amazon EMR)など、AWSのさまざまなサービスの稼働に対応している。