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エッジアナリティクスが実現するスマートコンピューティング(後)

2020/11/19

Isaac Sacolick InfoWorld

 アナリティクスや機械学習のユースケースでは、データウエアハウスやデータレイクに蓄積したデータを使い、データセット全体やそのサブセットを対象にアルゴリズムを適用して、クラウドアーキテクチャー上で結果を求めることが多い。だが、データの生成や変化が頻繁に生じる場合、この方法がうまく適合するとは限らない。

前回から続く)

Credit: Structuresxx / Getty Images

 コンピュータービジョンを活用したインダストリアルAIソリューションを手がける米Landing AIのエンジニアリング担当バイスプレジデント、Achal Prabhakar氏は言う。「製造プラントは、主流のアナリティクスアプリケーションとは大きく違う。導入も含めて、AIについて再考する必要がある。当社は、処理能力と汎用性があるエッジデバイスを使って、継続学習に対応した複雑なディープラーニングビジョンモデルを生産ラインに直接導入することに力を入れている」

 エッジアナリティクスやエッジコンピューティングの効果が考えられる別の例としては、遠隔地にある建設現場や掘削現場などへのアナリティクスの導入がある。大きなコストがかかるうえに安定性が不安なWANに頼らなくても、エッジアナリティクスのインフラを現場に導入して、必要なデータ処理や分析に対応できる。例えば、ある石油・ガス会社は、インメモリの分散コンピューティングプラットフォームで動くストリーミングアナリティクスソリューションをエッジに導入したことで、掘削期間を一般的な15日から12日へと20%短縮した。

 さらに、コンプライアンスやデータガバナンスといった面でも、エッジアナリティクスの導入効果が考えられる。ローカルに導入したインフラなら、データ主権に関連するGDPRなどの規制要件に対応しやすくなる。規制対象のデータの保存や処理を、データの収集場所と同じ国内で行えるからだ。

エッジに導入するアナリティクスの設計

 モデルやアナリティクスをエッジコンピューティングインフラに移行するのは、必ずしも単純なことではない。処理能力を多用するデータモデルを使って大量のデータセットを扱うためのコンピューティング要件を考えると、エッジコンピューティングインフラでの展開や稼働の前に、まずは再設計が必要かもしれない。

 背景の1つとして、現在の開発者やデータサイエンティストの中には、パブリッククラウドやプライベートクラウドで利用できるハイレベルなアナリティクスプラットフォームを活用している人が多いという点がある。IoTやセンサーは、C/C++で開発された組み込みアプリケーションを使用していることが多く、クラウドネイティブのデータサイエンティストやエンジニアにとっては、なじみが薄くハードルが高い分野かもしれない。

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