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クラウドの料金モデルがはらむ11の課題(中)
2021/01/27
今回の記事では、クラウドの料金モデルがはらむ11の課題を取り上げる。
(前回から続く)
無料が後々高くつく

人は無料と聞くと心が躍る。クラウドのプロダクトを無料で試せるのは、何より効果的なマーケティング手法だ。しかし、開発者はどこかで料金を払わざるを得なくなる。そして、無料から有料への一歩を踏み出すと、対処は一気に難しくなる。単価は数セント程度でも、利用の度合いに応じて、料金はどこまで増えるか分からない。
無料の喜びに目がくらんでいると、真のコストを予測することは簡単ではない。アクセス殺到でうれしい悲鳴だったはずが、かえって打ちのめされたという企業の話も多い。コンテンツがバズると皆が喜ぶが、月末に届く請求書はかなりの高額になっている。無料の時は安く思えたものだ。
優れたプロダクトから抜け出すのは難しい
クラウドは自由を旨としているとはいえ、気がつくと囲い込まれてしまい、利用が増えていく。料金が最も安いインスタンスで動かせるように開発したアプリケーションが、しばらくの間は問題なく稼働したが、その後口コミやホリデーショッピングでアクセスが急増したとする。DevOpsチームがRAMやCPUを増やして対応したならば、それ以降は料金が高い構成のまま動かしていくことになるかもしれない。
ラチェット効果がさらに顕著なのは、各インスタンスに割り当てるディスク容量だ。増やすのは簡単なことが多いが、たとえ未使用の容量でも、減らすのは難しい。