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組織としてのアジリティを高めるには(下)

2021/02/05

Isaac Sacolick InfoWorld

 会社のタウンホールミーティングで、アジリティを高める必要性をトップが訴えたとしても、上からの押し付けでは実現できない。最高情報責任者(CIO)やITリーダーは、アジャイルの方法論のスタンダードだと称するプラクティス、指標、責務を示して標準化を図ろうとするかもしれないが、アジャイルの文化や考え方を強制的に取り入れさせることは不可能だ。

前回から続く)

顧客の考え方でDevOpsのプラクティスを強化

Credit: tookapic

 DevOpsの文化やプラクティスを取り入れている組織は、何十年も前からのITのパラドックスを解消することを目指している。本番環境への細かな変更を頻繁に加え、ユーザーニーズへの対応やビジネスの強化を果たしながら、それぞれの変更に伴うリスクを抑え、信頼性、セキュリティ、パフォーマンスなど、運用のサービスレベルに影響をきたさないために、アジャイルチームにはどのような力が必要だろうか。

 DevOpsのプラクティスとツールは、ITの変更管理プロセスに潜むギャップに対処する。こうしたギャップは、重大なインシデント、根本原因分析を必要とする複雑な問題、インフラの厄介な依存関係によるデプロイの遅れ、慢性的なセキュリティ問題を引き起こす恐れがある。DevOpsの成果の例には次のようなものがある。

  • プライベートクラウドとパブリッククラウドを利用し、セキュアなInfrastructure as Codeで環境のデプロイや破棄を自動化する。
  • テストを自動化し、CI/CDパイプラインのシフトレフトでビルドとデプロイを効率化する。さらに高度な開発チームでは、パイプラインにセキュリティ検証を組み込み、DevSecOpsを取り入れる。
  • 複雑なサーバーレス環境、マイクロサービスアーキテクチャー、ハイブリッドマルチクラウドネットワークの管理能力を強化する。監視の増強やAIOpsプラットフォームの導入により、可視化やインシデント対応を向上する。

 これらはいずれも、アジャイルや運用でITが抱えるパラドックスに対処するための戦略的要素になる。戦略がないままでこうしたプログラムをやみくもに取り入れると、ビジネス価値のない成果をITで生み出すことになる恐れがある。場合によっては、ビジネス上の優先事項の実現を犠牲にしながら、自動化に過剰投資することにもなりかねない。

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