TOPIndustries > AIの導入に伴う電力コストを抑制するには(前)

Industries

AIの導入に伴う電力コストを抑制するには(前)

2021/02/09

Andy Patrizio Network World

 人工知能(AI)や機械学習(ML)は、イノベーションを促す重要な原動力となり得るが、一般的な業務アプリケーションとは稼働の要件が異なる。一般的なアプリケーションは、CPUやメモリーの使用率はさほど高くならない。一方、AIやMLは、かなりの高使用率で膨大な処理を行うことも多い。電力コストや冷却コストの占める割合が、IT部門の想定より高くなることもある。同じような問題は以前からあるが、影響の度合いは高まっている。

Credit: Matejmo / Getty Images
Credit: Matejmo / Getty Images

 データウエアハウジングやビジネスインテリジェンスなど、CPUで大量の演算を行うアプリケーションが広まった頃は、それに伴う電力料金をIT部門が意識していないことも多かった。一般にはIT部門ではなく運用部門のコストとなることが要因だった。

 「データサイエンスチームのリーダーは、自らの判断でいつでも何でも処理できることが多い」と、米AI企業NEURALの創業者で最高経営責任者(CEO)のMark Swartz氏は言う。「こうしたぜいたくなやり方で大量の演算処理の要件に対応していた時代は、今後5年のうちに下火に向かう」

 電力コストや冷却コストに厳しい目が向けられている理由の1つは、AIはたいていの場合、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)を基盤とする点にある。一方、データウエアハウジングやビジネスインテリジェンスのアプリケーションは標準的なシステムで稼働できる。HPCやAIは処理がはるかに膨大だが、それに伴うコストの増加が盲点になってはならない。そう話すのは、HPCを専門とする米調査会社Intersect360のCEO、Addison Snell氏だ。

 「どのようなITプロジェクトであれ、処理が膨大になれば常にコストが伴う。AIへの心構えがなく、一般的なエンタープライズサーバーと同じくらいの電力コストや冷却コストを想定していた人は、驚くかもしれない」

 コストを抑えるための策としては、次の6つが考えられる。

1:電気料金の単価を下げる方法を探る

 会社の拠点以外の場所にデータセンターを設置できる場合は、再生可能エネルギーが利用できる場所を探すとよい。まずは水力発電だ。米国では、水力発電は特にコストが低い電力源の1つである。「大規模な水力発電が可能な場所の近くに、米Microsoftや米Googleがデータセンターを設置しているのには理由がある」と、HPC関連の調査会社、米Hyperion ResearchのシニアアドバイザーであるSteve Conway氏は言う。

↑ページ先頭へ