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5G展開を進める米通信キャリア、法人向け事業の勝算は(前)

2021/02/22

Andy Patrizio Network World

 米国の携帯通信キャリアは、5Gの展開を急ピッチで進める中で、法人向け事業の多角化をもくろんでいる。だが、各社の現在の戦略でその狙いを達成できるかどうかは不透明だとアナリストらは指摘する。

Credit: Thinkstock

 米Verizon、米AT&T、米T-Mobileは、携帯通信キャリアとして米国のインターネットインフラの一翼を担ってきたものの、これまではもっぱら、データを運ぶ伝送路でしかなかった。法人向けにプラスアルファのサービスを提供して、ネットワークから収益を上げる努力は、必ずしも実を結んではいない。

 米調査会社451 ResearchでIoTを担当するリサーチディレクターのChristian Renaud氏は言う。「通信事業者としては、5Gの展開にかかる設備投資の負担は非常に大きい。各社は、法人向けの魅力的なサービスで収益を拡大することを目指している」

5Gで可能になる新たなサービス

 こうした魅力を生み出す元は、5Gならではの新たな技術である。そう話すのは、米調査会社IDCのシニアリサーチアナリスト、Patrick Filkinsだ。例えばネットワークスライシングでは、ネットワークリソースを仮想的に分割し、顧客のニーズに合わせてリソースを使い分けることができる。NEF(Network Exposure Function)では、ネットワークが提供するサービスにアクセスするためのAPIを整備でき、従来のクラウドサービスで機能の一部を外部のアプリケーションから利用するのと同じようなイメージで、通信キャリアが提供するネットワークの機能を外部企業がサービスの開発に利用できる。

 「こうした収益モデルは、現在の通信業界には必ずしも存在しないが、PaaS企業のビジネスにならって、ネットワークのデータへのアクセスを外部企業が有料で利用できるようにするといった方法が考えられる。そのような形で、通信事業者が土管屋から脱却できるかもしれない」

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