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クラウドからの即時撤収に備える15の方法(上)

2021/03/29

Peter Wayner InfoWorld

 米国の往年のテレビドラマで、「M*A*S*H」というシチュエーションコメディがあった。若い世代には信じがたいかもしれないが、朝鮮戦争時に米軍の移動野戦病院(MASH)に配属された医師らを描いたコメディで、11年続いた。話の中で、戦況が変わって危険が迫り、野戦病院を急いで撤収する時には、MASHのMはMobile(移動)のMだ、と誰かが話していた。

Credit: Thinkstock

 現代のITスタッフの仕事も、野戦病院と状況は違えど、即時撤収が必要になるケースは増えているように思える。アーキテクチャーをどれだけ入念に構築しても、土台のクラウドサービスが突然使えなくなるのなら、まさに砂上の楼閣だ。苦労して集めたデータも、深夜に頭をフル回転して開発したコードも、他の環境への移行を余儀なくされる。それも、翌週の月曜までに移行するよう迫られたりする。

 クラウドサービスを突然利用できなくなった例というと、SNS「Parler」がAmazon Web Services(AWS)から締め出されたような政治的な事例が大きな話題となったが、決してこうした理由がすべてではない。ソーシャルニュースサイトHacker Newsなどの投稿をざっと検索してみても、アカウントの停止に関する投稿は驚くほど多く見られる。巨大な権力を持つハイテク大手のクラウドサービスでアカウントを止められた開発者が、メールで問い合わせても返信がなく、電話番号も住所も分からないとして、Web上で答えを求めているケースが多い。

 このような目に遭う企業の規模はさまざまだ。小規模な開発企業が、利用規約の片隅に埋もれている条項に引っかかって、クラウドサービスを使えなくなった、というような事例が多いものの、大企業の事例もかなりある。多額の売上高を誇る大手ゲーム企業が、アプリストアの手数料の高さに難色を示して抗戦しても、単純な体力勝負では、より巨大なテクノロジー企業にはかなわない(そこに、やはり反発を受けている別の大手テクノロジー企業が加勢したりもするわけだが)。

 利用規約にざっと目を通してみても、線引きが明確な規則と、議論がどこまでも平行線をたどりそうな漠然とした規則とが混在している。例えば、「質が低いメール」の送信を禁じている利用規約があった場合、これはもちろんスパムを表しているが、具体的にどの程度のメールが該当するのだろうか。親が子供に向けて、特に用件はないが親心にあふれるメールを送った時も該当するのだろうか。

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