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マネージドKubernetesサービス、利用拡大の背景は(上)

2021/05/10

Scott Carey InfoWorld

マネージドサービスの変化

 米調査会社Redmonkの共同創業者、Stephen O'Grady氏は、Kubernetesを巡る最近の動きについて、かつてデータベースやCRMで起きた動きに似たパターンだと指摘する。管理者からすればマネージドサービスプロバイダーには決して委ねたくないと思うような重要な資産を、最終的には委ねるようになるという展開だ。

 「企業が戦略的な策を考える時、最初は自社運用の傾向があるが、慣れてきた頃には、次第に認識が変わってくる。自社運用だからといって、競争力の面で何のプラスにもならないし、おそらくベンダーに任せる方が、自分たちより対応が上手だと思い始める。すべての企業がそのように動いているわけではないが、意欲や方向性は明確なように見える」

 Cloud Native Computing Foundation(CNCF)のデベロッパーアドボケイト、Ihor Dvoretskyi氏によると、こうした傾向は、Kubernetesを利用しているさまざまな企業で広く見られる。「最近では、規制業種の大手企業も、マネージドサービスの利用を強化している」

 金融情報大手の米Bloombergも、マネージドサービスの利用に舵を切った1社だ。同社のコンピューティングインフラの責任者を務めるAndrey Rybka氏は、2019年の時点では次のように語っていた。「アップストリームのKubernetesやCNCF、エコシステム全体に接するエキスパートチームを設けて、社内にナレッジを構築することが絶対に必要だ。ベンダー任せにはできない。Kubernetesを取り巻く複雑さの全貌を理解する必要がある」

 しかし現在では、Bloombergは本番環境のワークロードの稼働に3大クラウドすべてのマネージドKubernetesサービスを利用している。どのような心境の変化だろうか。

 「クラウド事業者各社は、Kubernetes関連のサービスの品質向上に力を注いでいる。ここまで、マネージドサービスは成熟への道を順調に進んできた」

 Bloombergにおけるマネージドサービスの利用は、いわば適材適所だ。同社は現在も、Kubernetesのワークロードの約8割をオンプレミスで稼働しており、Kubernetes環境を社内で確実に管理できるスキルの構築や、その基盤のもとで動く社内開発者向けプラットフォームの展開に対して、大きく投資している。一方で、クラウドに適したワークロードに関しては、マネージドKubernetesサービスを利用している。自前でやるよりそちらの方が優れているという理由からだ。

翻訳:内山卓則=ニューズフロント

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