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マネージドKubernetesサービス、利用拡大の背景は(下)

2021/05/14

Scott Carey InfoWorld

マネージドKubernetesに乗らない理由は

 BloombergやAmadeusのように、大規模で多面的な企業の場合、レガシーワークロードや機密性の高いワークロードは、引き続きオンプレミスにとどめることになる。その稼働を支えるKubernetesクラスタは、当面は自社運用のままとなる可能性が高い。

 GoogleのHightower氏は言う。「自社運用を望む人が懸念しているのはデータプレーンだ。特定の領域のカスタマイズや特化が必要となる。コントロールプレーンの方は、マネージド型でも気にしない」

 AWSのSingh氏によると、マネージドKubernetesの流れにまだ加わっていない顧客企業は主に2種類に分かれる。1つは「建築屋」、もう1つは依存関係が複雑に入り組んでいる企業だ。AWSとしては、前者に関しては、その存在を認め、Kubernetesの中核をAWSで提供できるよう力を注ぐとのこと。オープンソースのオートスケーラーKarpenterのようなプロジェクトはその例だ。

 後者は、素のKubernetesではなく、フォークや変更を加えたバージョンを使っていて、自らタッチできないマネージド型のコントロールプレーンでは問題が生じるケースだ。改造を施したKubernetesであり、標準のKubernetesに戻るには時間がかかると同氏は言う。

 自前のKubernetesクラスタのカスタマイズに必要なスキルの構築や人材の採用のために、既にかなりの投資を行ってきた企業もあるだろう。必要に応じてマネージドサービスを導入するからといって、こうしたスキルは無駄にはならないとCNCFのDvoretskyi氏は言う。

 「たとえフルマネージドのKubernetesサービスを利用し、与えられたクラスタの上で動くアプリケーションを開発するだけだとしても、内部の仕組みを理解していることは、効率的な開発につながる」

 エンタープライズの中核技術として、Kubernetesがライフサイクル全体の中で現在どのような段階にあるかを踏まえて、現在の動きを見てみると、あえて自前のKubernetes環境で内部構造を深く掘り下げていく必然性は、ますます少なくなっているように思える。

 RedmonkのO'Grady氏は言う。「これまでの投資で得たものをサンクコストとして扱いたくないという捉え方や、組織として一連のワークロードやビジネスに対する保守的な懸念があるかもしれない。あるいは、戦略的な位置付けにあるインフラの一部が自分の支配下になくなることへの不安もあるかもしれない。しかし、同じような立場の人が導入しているのを目にすると、こうした不安はなくなり、恩恵を享受している人がほかにもいることが分かってくる」

(了)

翻訳:内山卓則=ニューズフロント
記事原文(英語)はこちら

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