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オンプレミス向け従量課金型サービス、ベンダー各社がラインナップ拡充(前)

2021/06/01

Ann Bednarz Network World

 企業がデータセンターやエッジ環境で利用するサーバー、ストレージ、ネットワーク機器にも、サービス化の波が強く押し寄せている。米Cisco、米Dell、米HPE、米IBM、中国Lenovoなど、ハードウエアベンダー各社は、オンプレミスのハードウエア製品を従量課金型で利用できるサービスの強化に力を入れている。

Credit: Dell Technologies
Credit: Dell Technologies

 こうした従量課金型のサービスには、調達サイクルの短縮、ニーズの変化に応じた柔軟な拡大および縮小、使用量に見合ったハードウエア支出などの特徴があり、ベンダー各社はラインナップを充実させつつある。

 例えばHPEは、2022年までに全製品をアズ・ア・サービスで提供するとの計画を2019年に発表しており、「HPE GreenLake」のラインナップに新しいデータサービスプラットフォームを加えたことを5月初めに発表した。またDellも、アズ・ア・サービスの製品群「APEX」のラインナップを同じ頃に発表した。

 従量課金型のモデルなら、ユーザー企業自身のデータセンターやエッジ環境、コロケーション施設にハードウエアを設置して、クラウドと同じような料金体系や柔軟なキャパシティをオンプレミスで提供できる。こうしたサービスが一般にターゲットとしているのは、パブリッククラウドへの移行に適さないワークロードの稼働にあたって、機器を完全に購入しなくて済む方法を求めている企業だ。

 ユーザー企業としては、こうした導入形態をとることによって、モダナイゼーションの取り組みをシンプルに実現し、資本を維持できる。そう話すのは、米Futurum Researchの主席アナリスト、Daniel Newman氏だ。

 「ハイブリッドクラウドが企業にとって非常に強力な選択肢となる中、ITインフラを扱う大手ベンダーもその流れに乗り、クラウドと同じようなモデルのサービスをオンプレミスで実現しつつある。理にかなった動きだ。HPEとLenovoは、それぞれGreenLakeと『TruScale』で、早くからこの路線に乗り出した。Dellもしばらく前にAPEXの構想を打ち出しており、ストレージやコンピューティングなどの重要分野で巨大な顧客基盤を活用できる。さらにCiscoも参戦し、『Cisco Plus』を発表している」

 従量課金型のハードウエアというコンセプトは以前からあるが、関心は高まりつつある。米調査会社IDCによると、従量課金型のインフラに積極的に移行する意向を示している企業は61%に上る。また、2024年には、データセンターインフラの半分はサービス型の利用形態になるとIDCは予測している。

 これまでのところ、導入が特に盛んなのはストレージだ。米調査会社Gartnerによると、2024年には、新規に導入されるストレージ容量の半分がサービス型の利用になる見通しだ。サーバーに関しては、2024年にはオンプレミスのx86サーバーへの支出の5.6%がサービス型の利用形態になっているとGartnerは予測する。

アズ・ア・サービスの魅力

 サービス型インフラに注目が集まっている理由の1つは、企業がハードウエア刷新の負担を抑えたいと考えていることにある。そう話すのは、米調査会社Forrester Researchのシニアアナリスト、Tracy Woo氏だ。

 「もともと売り切りでシステムを販売していたハードウエアベンダーにとって、クラウド事業者との競争が厳しくなってきている。ユーザー企業は、刷新が難しいデータセンターは望んでいない。パブリッククラウドなら、最新のハードウエアを利用できるうえ、初期投資を大幅に抑えられ、設備投資の予算を心配する必要がない。競争力を維持するために、HPEやDellのようなハードウエアベンダーは、新たな形でハードウエアを提供する必要がある。こうして出てきたのがGreenLakeやAPEXだ」

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