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職場勤務の再開を支えるIoT技術、3社の事例(中)

2021/06/09

Bob Violino Network World

 在宅勤務体制を緩和して、職場勤務を徐々に再開する企業の中には、従業員の健康と安全を守るために、IoTやネットワーク技術を利用したモニタリングや行動追跡の手段を取り入れているところがある。職場勤務を再開する方法やタイミングを考えるうえで、こうした手段の導入は大きな意味を持つ。3つの企業の事例を見てみよう。

前回から続く)

接触追跡と使用率の把握

Credit: Laurence Dutton / Getty Images
Credit: Laurence Dutton / Getty Images

 米ベイステートカレッジは、コロナの影響でマサチューセッツ州ボストンとトーントンのキャンパスを閉鎖した2020年の春、対面授業を安全に再開する方法について、上層部が検討を始め、テクノロジーソリューションの導入を考えた。

 希望する要件は、できる限り邪魔にならないこと、簡単に導入できること、5カ月以内で実現できること、コストがかかりすぎないことだった。同大学は、クラスや講堂の規模が限られていることが、ソーシャルディスタンスという面でプラスではあるものの、それでも学内で感染が大規模に広がるリスクは当然ある。

 同大学のJeffrey Myers最高情報責任者(CIO)によると、大学の首脳陣は、単一の製品に頼るよりは階層型のアプローチが必要だと判断した。重要な要件の1つは、接触追跡の実現だ。ウイルスの拡散を食い止めるうえで、接触追跡は何より重要だと保健当局は考えていた。大学の運営元であるAmbow Education USAのITチームは、米Cisco Merakiと米HID Globalの製品を利用した接触追跡システムを導入した。

 このシステムでは、教職員、学生、来訪者など、キャンパスを利用するすべての人に、首掛け可能なIDカードホルダーを支給し、目に見える位置に常に装着してもらう。このカードホルダーには、HID BEEKというBLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンが組み込まれている。

 学内では、Cisco MerakiのWi-Fiネットワークをキャンパス全体に展開した。それぞれの無線アクセスポイント(AP)はBluetoothアンテナを備えており、カードホルダーのビーコンが断続的に発するpingを待ち受けている。こうして複数のAPが得たデータを利用して、ビーコンの相対位置を三角法により特定し、そのデータをSQLデータベースに保存する仕組みだ。

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