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職場勤務の再開を支えるIoT技術、3社の事例(下)

2021/06/11

Bob Violino Network World

 在宅勤務体制を緩和して、職場勤務を徐々に再開する企業の中には、従業員の健康と安全を守るために、IoTやネットワーク技術を利用したモニタリングや行動追跡の手段を取り入れているところがある。職場勤務を再開する方法やタイミングを考えるうえで、こうした手段の導入は大きな意味を持つ。3つの企業の事例を見てみよう。

前回から続く)

ソーシャルディスタンスの確保

Credit: Christina Morillo
Credit: Christina Morillo

 従業員の健康と安全を守り、感染拡大を抑えるために、カナダの化学肥料大手Nutrienは昨年、IoTソリューションを手がける米Triax Technologiesの技術を利用した接近監視と接触追跡の仕組みを導入し、今年にかけて利用を拡大してきた。

 Nutrienが導入したのは「Proximity Trace」というソリューションだ。従業員同士が最低6フィート(約1.8メートル)の距離を常に確保するよう促す機能や、接触のデータを自動で記録する機能を持つ。

 Nutrienは、昨年7月に米国内の肥料生産拠点にProximity Traceを導入したのを皮切りに、カナダの炭酸カリウム鉱山や、米国とカナダの計4カ所のオフィスへと展開を拡大してきた。今年1月時点では、Nutrienの世界各地の従業員8000人以上がProximity Traceを既に利用しており、さらに6500人が導入予定となっている。

 Proximity Traceでは、「TraceTag」という軽量なセンサー装置を、各従業員の衣服やヘルメットに取り付ける。ソーシャルディスタンスに関しては、他の従業員と6フィート以内に近づいた時に、音と光(赤いライトの点滅)を使ってその場で注意を促す機能がある。また接触追跡に関しては、この装置が備える自動記録機能を使って、仮に感染者が出た場合でもすぐに追跡を行える。装置が記録したデータは、事業所内のさまざまな場所に設置されているゲートウエイ経由で取得する。

 センサー装置のバッテリーは充電式だが、充電は数カ月に1回で済む。装置間の通信やゲートウエイとの通信には900MHz帯の無線通信を用いる。ゲートウエイが取得したデータは、TriaxのクラウドポータルにLTEで送る。

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