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マスターデータ管理とは(前)

2021/06/22

Thor Olavsrud CIO

 マスターデータは、ビジネスのエンティティやオブジェクト(顧客、従業員、取引先、製品、コストセンターなど)に関するデータだ。トランザクションデータにコンテキストを与え、企業がビジネスを進めるうえで基盤となる存在である。しかし、各種スプレッドシートやアプリケーションにデータが分散していたり、そもそもデジタル化されていない場合もある。マスターデータ管理(MDM)とは、そんなマスターデータを適切に扱うための方法論、プロセス、テクノロジーを表す。

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 米Gartnerの定義によると、MDMはビジネス部門とIT部門が連携するテクノロジーベースの方法論の1つであり、マスターデータ資産を企業で正式に共有して、その統一性、正確性、スチュワードシップ、意味上の一貫性、アカウンタビリティを確保することを目的としている。

マスターデータ管理の意義

 MDMでは、社内で扱うマスターデータの完全な一元化を目指し、データ値の統一を図る。種々雑多なソースから得たデータには属性の類似や重複が見られるが、MDMでは、全社規模のインフラを使って、こうしたデータの標準化や統合を行い、信頼できるデータソースを確立して、業務や意思決定を支援する。

 MDMを確立することにより、製品データ、資産データ、顧客データなど、企業のデータ資産の一貫性と品質が確保される。Gartnerが2021年1月に発表したMDMのマジック・クアドラントでは、企業がMDMを目指す主な理由として、社内/オペレーションの効率化(69%)、ビジネスプロセスの成果の向上(59%)、ビジネスプロセスのアジリティの向上(54%)などを挙げている。

マスターデータと参照データの違い

 参照データはマスターデータのサブセットとみなすことができる。マスターデータも参照データも、ビジネストランザクションにコンテキストを与えるが、マスターデータはビジネスで扱うエンティティについてのデータであるのに対し、参照データは分類やカテゴリについてのデータである。参照データは変更があまりない。参照データの例には、郵便番号、取引コード、国/州コード、言語コード、顧客のセグメントなどがある。

 米TIBCO Softwareの記事によると、顧客、事業活動、取引に関するデータなど、ビジネスの主な対象を表すのがマスターデータであり、マスターデータのなかで使用が認められる分類用のデータを表すのが参照データである。

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