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マスターデータ管理とは(前)

2021/06/22

Thor Olavsrud CIO

MDMで不可欠な要素

 MDMやデータガバナンスを専門とする米コンサルティング会社Hub Solution DesignsのDan Power社長は、MDMに取り組むうえで不可欠な要素として、文化、プロセス、テクノロジー、情報、データガバナンスの5つを挙げている。

 文化:MDMは社内のいくつもの部門や組織にまたがる取り組みとなるため、社内政治の問題が絡むことが避けられない。取り組みを成功させるには、次のような手腕を発揮して上手に立ち回れるリーダーが必要だとPower氏は言う。

  • プロジェクトを推進する力
  • 上層部の関与と支援を得る力
  • 事業部門に取り組みの主導権を与えつつ、IT部門が支援役や進行役として継続的に関与できるようにする力
  • 必然的に生じる文化的・政治的な問題に対処する力
  • 予算を確保して短期間で成果を出す必要性と、アーキテクチャーの長期的な完全性とのバランス

 プロセス:MDMの導入で投資に見合った効果を得るためには、自社のビジネスプロセスの段階的な再設計が欠かせない。Power氏は、まずは対処可能な範囲のビジネスプロセスから始めることを勧め、CRMに関連するビジネスプロセスを例に挙げている。

 テクノロジー:MDMの方法論はテクノロジーによって実現される。Power氏は、MDMのテクノロジーの主要な構成要素として、元になるシステムデータをすべて集約する「MDMハブ」、元になるシステムデータをMDMハブに取り入れる「データ統合」、そして「データ品質」を挙げている。そのほかには、参照データ管理、メタデータ管理、ビジネスルール、ポリシーなどに関するテクノロジーも考えられる。

 情報:ビジネスで扱うエンティティの全体像をつかむためには、社内のデータだけでなく、社外のデータも組み合わせる必要がある。例えば、見込み客や顧客について扱ううえでは、業種コード、売上高、年数、従業員数、組織構造、財務リスクなどの属性を表す外部データが必要になるかもしれない。ビジネスの対象に関して実行したいレポートや分析を入念に検討し、その実現に必要な属性を洗い出す必要がある。

 データガバナンス:MDMの取り組みを成功へと導くうえで、データガバナンスの強固な基盤を確立することは、特に重要な意味を持つ。データ所有権の問題や、データ検証の規則などを解決し、MDMの導入を円滑化できる。

翻訳:内山卓則=ニューズフロント

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