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データセンターのワークロード管理、AI活用の現状は(下)
2021/07/16
データセンターのワークロードが増加の一途をたどる中、ITチームの作業の負担を減らし、効率化とコスト削減を実現するために、AIの活用に注目する企業が増えている。
(前回から続く)
AIの組み合わせ

AIが成熟する中、できるだけ人手をかけずに多種多様な要素を組み合わせるためのソフトウエアベースの手法も現れつつある。例えば、一般的なデータベースシステムでは、処理を効率化するために、テーブルのインデックス作成、サーバー間でのデータのパーティショニング、特定の種類のクエリーに対するメモリーの割り当て、使用するコンピューティングプラットフォームや想定されるワークロードに合わせたオプティマイザーのチューニングなど、膨大な設定が必要になる。Howe氏は言う。「AIは、どのタスクでどのようなスケジュールが効果的だったかについて、過去の膨大なデータからルールや手順を学習する。人間がすべてを探らなくて済む」
AIを導入すれば、ITチームのリーダーやメンバーがインフラの細かな部分を一つひとつ心配する必要がなくなり、ビジネス上の課題を解決することに意識を向けられる。「AIという観点では、我々は自己学習のアンサンブルモデルを使用することが多い。さまざまな手法を組み合わせ、管理対象のワークロードパターンからの学習を通じて継続的に最適化している」と、Belliappa氏は説明する。
計画と導入
AIを活用した管理が効果を発揮するためには、事業の重要な責務をソフトウエアに委ねることに、ITリーダーやビジネスリーダーがまず賛同する必要がある。「規模や社内のナレッジリポジトリによっては、これが非常に難しい場合がある」とShah氏は言う。
最終的には、ワークロード管理を人間からAIに移行するプロセスをどの程度適切にこなせるかは、企業の技術的成熟度、事業規模、データセンターの活力によって決まる。Kavanaugh氏は、「事業がサイロ化し、データを効果的に活用するための最新インフラを取り入れていない場合、苦労することになる」と話す。一方で、AIベンダーの数が急増し、特定の種類の企業をターゲットにした製品が登場する中で、今後はあらゆる規模、あらゆる種類の企業が、スムーズに移行できるようになる可能性が高まる。「企業とソリューションの両方が成熟するのに合わせて、設定や展開のしやすさも高まる」