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LGBTQ+の従業員のための環境作り、ITリーダーが果たせる役割は(前)

2021/07/13

Peter Sayer CIO

 差別や偏見を受けがちなマイノリティの人の中には、自分がその1人であることを職場で明かすのにためらいを感じる人も多い。米Human Rights Campaignの2018年の調査によると、企業などで働くLGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クイア)の46%は、職場ではカミングアウトしていない。

Credit: Jan-Patrick Margraf

 「性的指向や性自認は、秘密にしておくことも多い。望まなければ隠しておくこともできる」。職場でのLGBTQ+について助言を行っているドイツのシンクタンクPrOut at Workの創業者で取締役のJean-Luc Vey氏は言う。

 公にしていても隠していても、性的指向やジェンダーはアイデンティティの根幹に関わる。人は、自宅でも職場でも、ありのままの自分が受け入れられている感覚を求めている。IT部門のリーダーが、インクルージョンの文化を確立したいと考え、たとえアイデンティティを完全には公にしていなくても、メンバーがありのままで安心できる環境を望むのであれば、オープンさという文化的特性が重要な土台となる。

 「意識に変化をもたらす。ダイバーシティ全般にとってプラスになるだけでなく、イノベーションにとってもプラスになる」。そう話すVey氏は、PrOut at Workでの仕事に加え、ITマネージャーとして企業のデジタルトランスフォーメーションに携わった経験も多い。

 「デザイン思考の手法を見ると、人々が自分の考えを口にでき、自分なりの貢献ができるような、オープンな文化を求めており、リーチしたい人々や顧客と密接に関係する優れた新しいソリューションを目指している。こうした対象を理解するには、多様性のある人々を集め、多種多様な物の見方があった方がよい」

 ドイツSAPのシニアバイスプレジデントで、カスタマーサクセス担当の人事責任者を務めるErnesto Marinelli氏も同様の考えだ。「全員が同調している環境からは、イノベーションは生まれない。イノベーションは同調の対極にある」

 Marinelli氏自身、ゲイであることを公にしている。現在勤めるSAPは、これまでずっと支持してくれているという。「私のバックグラウンドや性的指向、ドイツ人の夫と結婚していることも、一切秘密にはしていない。インクルーシブな文化がある当社では、それが問題になったことはない」

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