TOPマネジメント > LGBTQ+の従業員のための環境作り、ITリーダーが果たせる...

マネジメント

LGBTQ+の従業員のための環境作り、ITリーダーが果たせる役割は(後)

2021/07/15

Peter Sayer CIO

 差別や偏見を受けがちなマイノリティの人の中には、自分がその1人であることを職場で明かすのにためらいを感じる人も多い。米Human Rights Campaignの2018年の調査によると、企業などで働くLGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クイア)の46%は、職場ではカミングアウトしていない。

前回から続く)

Credit: Fizkes / Shutterstock
Credit: Fizkes / Shutterstock

 特に、多国籍企業は役割を果たす余地が大きい。それぞれの国や地域の規範に単純に従うのではなく、職場でのLGBTQ+のインクルージョンに関するポリシーを海外から取り入れ、世界各地のオフィスで共通して適用できる。Marinelli氏と夫が米国に赴任できるようSAPが支援したのもそうした事例だ。さらに、職場以外でもインクルージョンの代弁者となって、その国や地域の法令や文化に働きかけることもできる。

 こうした取り組みの対象となり得る法令は数多くある。米外交問題評議会の2020年の調査結果によると、同性婚を合法化している国は28カ国にとどまっている。一方、ニューヨーク大学ロースクールのCenter for Diversity, Inclusion, and Belongingの2019年の調査結果によると、合意のもとでの同性愛行為を違法としている国は70カ国に上り、死刑に処している国も13カ国ある。

 部門のリーダーは、転勤にせよ出張にせよ、他国での仕事の機会を従業員に与える時に、こうした法令の面も考える必要がある。そう話すのは、ダイバーシティやインクルージョンに関するコンサルティングを手がける英Brook Grahamのディレクター、Stuart Affleck氏だ。

 「いずれかの従業員に、海外での仕事の機会を与える時に、その人のあり方を否定するような法令が施行されている土地の場合には、プロセス全体を通してその従業員を支援する必要がある。行きたがらないだろうと決めてかかってはいけないし、逆に行くだろうと決めてかかって、とにかく送り込んで現地のチームに支援させればよいと考えてもいけない」

↑ページ先頭へ