TOPSoftware > 消費者のニーズに合った脱パスワード、その方法は(上)

Software

消費者のニーズに合った脱パスワード、その方法は(上)

2021/10/25

Neal Weinberg CSO

 サイバー攻撃対策としてユーザー認証を強化する時には、絶妙なさじ加減が求められる。強固なセキュリティーは当然必要だが、あまりに複雑で面倒な操作を利用者に強いることは避けなくてはならない。また、秘密の質問や顔認証などの手法では、プライバシーに対する配慮も求められる。

Credit: Metamorworks / Getty Images
Credit: Metamorworks / Getty Images

 ユーザーに合った認証手法を適切に選ぶことは簡単ではない。消費者の姿勢や意識は目まぐるしく変わるからだ。最近では、新型コロナウイルスの影響で生じた変化もある。外出制限で実店舗に行けなくなった消費者の間で、ネットでの買い物の習慣が根付いた。専門家らによると、食品や日用品の類いをネットで買うことに慣れた消費者は、モバイルバンキングやデジタルウオレットなど、他の形態のデジタルコマースにも、あまり抵抗を感じなくなった。

 もちろん、世代による違いもある。金融業界を対象に米PYMNTS.comと米Nok Nok Labsが実施した調査によると、デジタルネイティブ世代の消費者は、さまざまなデバイス間の隔たりや、ショッピングサイト、決済方法、銀行サービスなどのプラットフォーム間の隔たりがなくなることを期待し、あらゆるデバイスやプラットフォームをシームレスに利用したいと考えている。こうした世代は、パスワードレス認証などの先進的なセキュリティー手法を受け入れる姿勢も強い。

 とはいえ、どの世代の消費者であれ、パスワードによる認証は非常に煩わしいと感じており、防御も非常に脆弱だと認識している。利用者の期待に応えるには、生体認証(指紋認証や顔認証)、多要素認証(MFA)など、新たな手法に移行する必要がある。最近では、ユーザーの目に見えず、その存在を意識させない認証方法も出てきている。

消費者はセキュリティーを非常に重視

 米Experianの調査レポート「2021 Global Identity and Fraud Report」によると、消費者の55%は、ネットを利用する際に特に重視する点としてセキュリティーを挙げた。セキュリティーの水準が高いと思う認証手法を尋ねると、生体認証を挙げた人が74%で最も多く、モバイルデバイスに届くPINコード(72%)、行動分析(66%)と続いた。行動分析とは、利用者の行動の特徴を分析して本人を特定する手法のことで、利用者が特別な操作を行う必要がない。

↑ページ先頭へ