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消費者のニーズに合った脱パスワード、その方法は(上)

2021/10/25

Neal Weinberg CSO

 レポートではこの結果について次のように説明している。「消費者がセキュアと考える認証手法のトップ3にパスワードが入らなかったことは注目に値する。現在、ほとんどのデジタルアカウントやデジタルデバイスが、パスワードを使った防御を何らかの形で取り入れているにもかかわらずだ。この結果が示すように、消費者の意識には変化の兆しが見られ、パスワード以外の領域に関心が向かいつつある」

 「この結果で特に意義深い点の1つは、生体情報を用いる手法や行動ベースの(目に見えない)手法に対して、消費者がこれまでより前向きになっていることだ」とレポートは述べ、「データが示すとおり、消費者としては、自分たちの明示的な操作なしで企業側がセキュリティーやプライバシーに対処することを受け入れる姿勢になっている」と言及している。

 これまで企業が採用してきた認証手法は、利用者側で何らかのアクションが必要だった。パスワードを覚えておいて入力したり、秘密の質問に答えたり、スマホに届いた1回限りのPINコードをパソコン上のログイン画面に入力したりなどだ。

 ExperianでID管理や不正監視に関する部門のEMEA(欧州/中東/アフリカ)地域の責任者を務めるJames Brodhurst氏は、次のようにコメントしている。「不正行為の防御とスムーズな顧客体験とのバランスについて、企業はこれまで以上に気を配る必要がある。幸い現在では、利用者を迎え入れる際に、必要なチェックの多くを、利用者に見えない形でリアルタイムで実行できる。例えば、デバイス上での整合性のチェックや、利用者に対する行動生体評価などだ」

 PYMNTS.comの調査でも、同じような結論が得られている。成人消費者2000人以上を対象としたこの調査では、利用者が銀行口座へのアクセスで実際に使っている認証方法と、希望する認証方法との間に、大きなギャップがあることが分かった。

 現時点ではユーザー名とパスワードによる認証を使っている人が全体の3分の2に上るが、この方法がよいと考えている人は42%にとどまった。代わりにPINコードを使った認証の方がよいと考えている人は18%、指紋のみの認証がよいと考えている人は14%、顔認証のみがよいという人は11%、多要素認証がよいという人は13%だった。

 Experianの調査レポートには次のようにある。「消費者の意向は変化している。企業各社にとっては、新たなセキュリティー手法を取り入れ、目に見える手法と見えない手法を階層化して組み合わせる機会が来ている。カスタマージャーニー全体を通じて得たデータと観測を生かすことにより、判断が必要な個々の場面で、正確な認識や認証を容易に実行できる」

翻訳:内山卓則=ニューズフロント

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