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暗号技術の基礎(下)

2021/12/17

Matthew Tyson InfoWorld

 PKIに代わる仕組みとしては、Pretty Good Privacy(PGP)がある。ピアツーピアでユーザー同士が互いを信頼する分散型の仕組みを取り入れており、一元的な認証局は使わない。この手法も、非対称鍵を使って対称鍵を交換する。PGPは、メールの暗号化や、ダウンロードファイルが改ざんされていないことの検証などで主に使われている。

 非対称鍵や暗号化全般の使用例の中でも、特に巧妙な仕組みを使っているのが、ビットコインなどで見られるブロックチェーンのシステムだ。ブロックチェーンは、一元的な管理機関を必要とせず、暗号技術を使って署名した取引を検証する役割を、ネットワーク全体で担う形となっている。この技術を使えば、インターネットインフラの上に、分散型ながら安全性を確保した基盤を確立して、これまでにない種類のシステムを実現できる。現在は、そうした可能性がまさに開花し始めたところだ。

 ブロックチェーンそのものや、ブロックチェーンを基盤とするシステムは、本質的に暗号技術で成り立っている。取引への署名には鍵のペアを使い、チェーンのリンクの検証にはハッシュ値を使う。

 以上、今回の記事では、現在の暗号技術の全体像を駆け足で見てきた。細かな仕組みにはかなり複雑な部分もあるが、全体の状況を理解しておくことは、プログラマーにとってもそれ以外の人々にとっても、ますます重要になっている。

(了)

翻訳:内山卓則=ニューズフロント
記事原文(英語)はこちら

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