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サプライチェーンの制約でクラウド移行が加速(後)

2022/01/20

Maria Korolov Network World

 新型コロナウイルスまん延の影響によるハードウエアの供給不足をきっかけに、オンプレミスのワークロードをクラウドに移行する企業が見られる。メッセージング関連サービスを手がける米Interop Technologiesもその1社だ。

前回から続く)

ハイパースケーラーの絶大な力

Credit: Metamorworks / Getty Images
Credit: Metamorworks / Getty Images

 ハードウエアの供給不足の影響から、ワークロードをクラウドに移行した企業は、Interopだけではない。

 米InsightとIDGが2021年11月に発表した調査レポート「Insight Intelligent Technology Report 2022」によると、IT意思決定者のうち、ITサプライチェーンの混乱の影響を受けていると回答した割合は91%に上った。その対応策については、アプリケーションの処理をクラウドに移行するとの回答が44%、必要性が差し迫った段階での調達は避けるとの回答が43%、予測のプロセスを改善して機器のニーズを長期的に把握できるようにするとの回答は42%だった。

 Insightでパートナーアライアンスとオペレーション担当のシニアバイスプレジデントを務めるMegan Amdahl氏は、サプライチェーンの問題は2022年も当面は続くと予測している。

 供給が不足しているのは半導体だけではない。米調査会社Nucleus Researchのリサーチマネージャー、Isaac Gould氏は言う。「サプライヤーからは、鋼材や配線が原因で需要に応えられないとの事例も聞かれる。また、マザーボードやグラフィックボードの類いは、数多くの半導体部品を使用する。現在、電子機器の生産に必要な部品のほとんどは、大なり小なり制約に直面している。さらに、供給不足だけでなく、需要の増加という面もある。パンデミックの影響と輸送の制約に伴うものだ」

 ハイパースケーラーと呼ばれる大規模クラウド事業者は、その支配力の大きさから、生産された部品や製品を誰よりも早く手に入れられる立場にあるとGould氏は言う。

 「供給の大部分がハイパースケーラーの手に渡る。我々が話をしている間にも、ハイパースケーラーは新しいデータセンターを開設している。地下にデータセンターを構築するという話も出ている。ハイパースケーラーの勢いはまったく衰えていない。半導体不足に直面しているのは、その他大勢の企業だ。半導体が不足しているのではなく、Amazon、Google、Microsoft、Oracleといった有力事業者のデータセンター構築に使われている」

 米Ernst & Young Americasでクラウドインフラとクラウド戦略担当のリーダーを務めるTim Rehac氏は言う。「ハイパースケーラーには、確かにスケールメリットが感じられる。ハイパースケーラーでハードウエアが極端に不足したという話は聞かない」

 この結果、コロナ前から急ピッチで進んでいたクラウドへの移行は、大幅に加速した。

 「コロナ前の私なら、もうこれ以上の加速はないと説明していたと思う。しかし、そのような加速が現実となった。今や、新しい取り組みのほぼすべてがクラウドで始まっている」

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