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クラウドのキャパシティー不足とマルチクラウド(後)

2022/07/28

Matt Asay InfoWorld

 クラウドが登場した頃は、世界中の誰もが無尽蔵のコンピューティングリソースをいつでも使えるようになるという未来図が示されていた。それから現在までクラウドの発展を支えてきた要因の1つに、この「無限のキャパシティーという幻想」がある。この点については、米Amazon Web Services(AWS)のAdam Selipsky最高経営責任者(CEO)も最近言及している。こうした背景のもと、米テクノロジー系メディアThe InformationのKevin McLaughlin氏は7月1日、「無限のキャパシティー」の実像に迫る記事を公開した。端的に言えば、キャパシティーは決して無限ではない。

前回から続く)

マルチクラウドでキャパシティーを確保

Credit: Milos Duskic / Alex Machado
Credit: Milos Duskic / Alex Machado

 マルチクラウドというと、CIOの悩みを解消する万能薬であるかのような見方も当初あったが、これが的外れだったのは間違いない。種類が異なる複数のクラウドにまたがってワークロードが魔法のように連携することはない。コンピューティングのような汎用的なサービスですら、クラウドごとの違いは大きい。特定のクラウド事業者の高水準のサービスを活用すればするほど、同じ環境や動作を別のクラウド事業者に複製するのは難しくなる。

 開発者の生産性が何にも増して重要であることを考えると、イメージだけでマルチクラウドをバラ色のように捉えるのは無意味だ。

 各種クラウド事業者から最善のサービスを選び、適切に組み合わせて利用するというのは、マイクロサービスを基盤とする手法なら確かに実現できる。例えば、本番環境のeコマースサイトの稼働や、顧客データの保存、製品カタログにはAWSを利用し、複製をGoogle Cloudに作成する形でクラウドを構成して、利用者の行動に合わせたパーソナライズやオファーを提供できる。マルチクラウドの設計はアプリケーション層とデータ層のどちらか一方だけでは足りない。アプリケーション層は複数のクラウド間で弾力性を確保したのに、データ層は何の支えもないというのでは、あまり意味がない。一連のアプリケーションに加え、それらに付随するデータインフラも、マルチクラウド向けに設計する必要がある。

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