TOPNetwork > 「忘れられる権利」の裁定、完全な対応が難しい理由(下)

Network

「忘れられる権利」の裁定、完全な対応が難しい理由(下)

2014/09/05

Taylor Armerding CSO

 ネットの世界について、その誕生以来の揺るぎない真実と思える点の1つは、「インターネットは決して忘れない」ということだ。ネットに投稿したものは、永久に復元可能である。送信した写真が数秒で消去されるとうたっていたアプリも、その主張が事実に反していたことが実証されている。

前回から続く)

 だが、その実現方法があるかどうかとなると話は別だ。米GigaOMの2014年7月30日付の記事によると、英貴族院の委員会は、忘れられる権利に関して欧州司法裁判所が下した裁定について、実現は不可能との見解を表明した。

 「合法的に入手可能で正確なデータへのリンクについて、そのデータの対象人物に対し、リンクを削除する権利をプライバシー権によって認めることは、もはや合理的ではなく、またそもそも不可能である」と同委員会はレポートで述べている。

 GigaOMの記事を執筆したDavid Meyer氏は、「根本的なパラドックス」をまだ誰も解決できていないと主張する。「インターネットはその本質上、『すべてを伝送し、すべてを残す』とでも言える原理を押し進めるものであり、それを止めることはおそらく不可能だが、これはまた、多くの国や市民に深く根ざしているプライバシーの原則と真っ向からぶつかり合う」ということだ。

↑ページ先頭へ