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CIOからCMOへ、社内の力関係が変化(中)

2014/11/12

Tom Kaneshige CIO

 2017年までに、企業のマーケティング部門のIT支出額がIT部門を上回る――。2011年に米Gartnerが発表したこの予測はCIO(最高情報責任者)に衝撃をもたらした。あれから3年。Gartnerの予測通り、着実に企業のCMO(最高マーケティング責任者)がIT部門を上回るIT支出をし始めている。マーケティング向けのIT製品や技術を売り込むベンダーの数も急増している。


前回から続く)

CMOの進化の過程

 CIOがCMOを目指して準備を整えるためには、CMOの力がここ数年でどのように強まってきたかや、その背景に何があったかをまず理解する必要がある。

 話は2000年代末の大不況に始まる。この頃CMOは批判の矢面に立たされた。売上が低迷する中、業務を円滑化したり、投資対効果を極限まで高めたりという面で、会社の頼みの綱になったのがCIOだ。「少ない支出で大きな成果」という合い言葉が新たな基準になった。一方、広告キャンペーンに数百万ドルを投じながら、その効果が明確でないCMOは、格好の標的だった。

 CMOの仕事はいわば妖術のようなものだった。John Wanamaker氏の名言が言い得て妙だ。「広告費の半分が無駄になっていることは私も分かっている。どちらの半分が無駄なのかが分からないだけだ」。当然ながら、こうした考え方は、景気後退で予算がひっ迫している状況では分が悪い。

 ところが、2010年に起きたソーシャルメディア旋風、モバイル旋風、クラウドコンピューティング旋風がCMOを救った。特に、デジタル広告の登場で、Wanamaker氏の言葉はひっくり返った。デジタルマーケティングによって全てを測定することが一気に実現された。広告主は、マーケティング予算の1割以上を、効果を実証可能なデジタルメディアに投じるようになった。

 「これが大きな転換点だった」とGarg氏は言う。

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