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恐怖の未来を防ぐのは「人間と協調するAI」
2016/07/15
「人間の知能は社会的相互作用に深く根ざしている。人間と協調するAIの進展がなければ、AIの『I』がない状況が多くなる」とGrosz氏は言う。
同様の見解は、このパネルディスカッションに参加していた他の専門家からも聞かれた。
米IBMの研究開発部門IBM Researchのコグニティブ・コンピューティング担当バイスプレジデント、Guruduth Banavar氏は、人間の強みには、共感、価値判断、社会的便益に対する理解などがあるのに対し、AIが優れているのは、偏見の排除、異常の検知、集団解析だと話した。
人間と機械が協力し合うことで、多くの分野において専門性の概念が拡大する可能性があると同氏は言う。
それを実現するために、人間と協調するAIが備えるべき主な能力としては、例えば自律性や、集団の中で共通の主眼の下に動作する能力があり、その両方が必要だと、米ノースウェスタン大学のKenneth Forbus教授は言う。
そのほかに重要な特性として同氏が挙げたのは、自らの見解や仮説を表現するに足るだけの言葉を持つことと、他者の意図に関するモデルを構築する機能を持つこと、さらに、助けることや教えることへの強い関心を持つことだ。全体として、人間と協調するAIは、道具としてではなく奉公の身として人間と関わりあい、学習と適応を徐々に行っていくものでなくてはならないと同氏は言う。
米カーネギーメロン大学のManuela Veloso教授は、自らの研究対象であるモバイル型ロボットに関して、人間と協調するAIが持つ意味に焦点を当てた。