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体に密着する未来の宇宙服、MITが開発中

2014/09/22

Sharon Gaudin Computerworld

 米航空宇宙局(NASA)は将来、小惑星の有人探査を手始めに、いずれは火星にも宇宙飛行士を送り込む計画を進めている。この動きとあわせて、宇宙飛行士が安全を維持しながら自由に動けるような新たな宇宙服も探し求めている。

 米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者が、そのような宇宙服を開発中だ。気体を利用した従来型の大きくかさばる宇宙服ではなく、いわば第2の皮膚のような宇宙服である。

 MIT航空宇宙工学科のDava Newman教授は、同大学のニュースリリースの中で次のように述べている。「従来の宇宙服は、基本的には、気体が入った風船の中にいるようなものだ。この気体によって、約3分の1気圧という必要な気圧を維持し、真空の宇宙空間で宇宙飛行士の生命を守っている。我々は、これと同じ圧力を、気体ではなく機械的な逆圧によって実現したいと考えている。皮膚に圧力を直接加えることにより、気体を使った圧力を完全になくすことができる。最終的には、動きやすい点と、惑星探査向けの非常に軽量な宇宙服となる点が大きなメリットだ」

 Newman教授は、体にフィットする柔軟な宇宙服の開発を10年間にわたって続けている。宇宙飛行士は、今から40年以上前の月面着陸の時も、2014年8月の宇宙遊泳の時も、大ぶりな宇宙服を着用していた。同教授は、こうした従来のものとは異なる宇宙服を開発するために必要な素材と技術を割り出した。

 この技術を使えば、軽量で伸縮性があり、宇宙飛行士の体にぴったり合う宇宙服を開発できる可能性がある。いわば、第2の皮膚をシュリンク包装で体に密着させるようなものだ。

 この宇宙服の素材には、ニッケルチタンの形状記憶合金を使用する。筋肉のような超小型のコイルが並んだ高度な素材だ。このコイルは熱によって収縮する。この素材は、成型した時の状態を「記憶」しており、熱を加えることでその形に戻る。

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