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シリコンバレーらしさの喪失、MSの研究部門再編から考える

2016/01/28

Mark Hachman PCWorld

 米Microsoftは2014年、基礎研究に従事していた研究者の一部をひそかに配置転換していた。米Bloombergの現地時間2016年1月25日の報道によると、同社は、基礎研究部門に所属していた研究者1000人のうちの約半数を、MSR NeXTという部門に移籍させた。この部門のミッションは、「最も大きな可能性を秘めているテクノロジーを素早く見極め」、顧客の元に届けることだという。従来、同社の研究部門は、製品部門とは切り離された組織だったが、それを転換する動きだ。

 この動きは理にかなっているように思うかもしれない。例えば、同社は2014年8月、タイムラプス動画を作成する先進的な技術について発表したが、そのわずか1~2週間後には、米Facebook傘下のInstagramも同様のアプリをリリースした。Microsoftの研究者が思案に暮れている時間がもう少し長かったら、同社はチャンスを逃していたに違いない。

 しかし、シリコンバレーから次々とアイデアが生まれ、世界に変化をもたらした源泉は、創造性の気風にあった。Microsoftの研究部門再編は、そうした創造性の気風から遠ざかる新たな一歩と言える。この動きは、次の製品もそのまた次の製品も、地道に前進させ、段階的な改良と継続的な収益をもたらしたいという未来像に応える動きだ。これは、「基礎研究」から「応用研究」へという趨勢の新たな事例であり、スローモーションで演じられている悲劇である。

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