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不動産業界がサイバー詐欺の標的に
2018/02/08
ソーシャルエンジニアリングによるサイバー詐欺の標的として、不動産業界はいい金づるになりそうだということを、詐欺師たちは探り当てた。そう話すのは、米SecureWorksのシニアセキュリティリサーチャー、Alex Tilley氏だ。

Tilley氏は、オーストラリア連邦警察でシニアテクニカルアナリストを務めた経歴を持つ。今回同氏から聞いた話は、オーストラリアの不動産業界についてのものだ。Tilley氏によると、不動産の購入客に対し、取引を担当する不動産業者や法律事務所を装って、入金を求める偽の請求が送られている。被害者の多くは、本物の業者から本物の請求が届いた時に初めて、詐欺に遭ったことに気づくという。
Tilley氏によると、不動産業者やその顧客に対する詐欺の問題は増えつつあるものの、問題に巻き込まれた不動産業者の具体的な数字を示すことはできないという。オーストラリアでは2017年後半になって広がり始めた詐欺だが、海外では数年前から見られたとのことだ。
2016年には、クイーンズランド州カランガーで、豪LJ Hooker系列の不動産会社の従業員に、電力会社を装ったサイバー詐欺のメールが届いた事例があった。プロパティマネージャーがそのメールを開いたところ、悪質なランサムウエアが実行され、社内のパソコン30台とサーバーがダウンした。
2017年10月には、サウスオーストラリア州で、不動産の購入客2人が合わせて100万豪ドル近くをだまし取られる詐欺が起きた。不動産取引の担当弁護士になりすました犯人が、偽の入金先情報をメールで伝えたことによるものだった。