TOPアプリ/OS > IBMの人工知能「Watson」、商用利用が拡大

アプリ/OS

IBMの人工知能「Watson」、商用利用が拡大

2014/10/09

Joab Jackson IDG News Service

 オーストラリアの銀行ANZ(Australia and New Zealand Banking Group)では、ファイナンシャルプランナーが顧客からの質問への対応に「Watson Engagement Advisor」を利用する。質問に対する理解を深め、迅速に回答を返せるようにすることを目的としている。

 同じくオーストラリアのディーキン大学では、学生からの質問にオンラインで回答を返すシステムにWatsonを活用する。同大学の5万人の学生がWebやモバイルデバイスから利用でき、学内での活動や建物の場所をはじめ、さまざまな質問に対応する。このシステムで利用する情報は、プレゼンテーション、冊子、オンラインコンテンツなど、膨大な文書や資料から取り込む。

 タイの病院Bumrungrad International Hospitalでは、がんの治療計画を立てる医師の支援にWatsonを活用する。患者の特徴や公開されている研究結果に基づいて、それぞれの患者にとって最も効果的な治療計画を立てられるようにする。この中では、Watsonをがん研究に応用するためにIBMが米Memorial Sloan-Kettering Cancer Centerと共同で実施した研究成果を利用する。

 南アフリカの医療保険会社Metropolitan Healthでは、300万に及ぶ顧客向けの医療相談サービスにWatsonを利用する。

 このほか、IBMのパートナー企業や新興企業の中にも、新しいサービスやアプリの基盤としてWatsonの技術を利用しているところがある。

 例えば、米旅行予約サイトTravelocityの共同創業者Terry Jones氏は、Watsonを利用した新サービス「WayBlazer」を立ち上げた。自然言語を利用したインタフェースで旅の情報を提供するというものだ。米オースティン市の観光局Austin Convention&Visitors Bureauでは、WayBlazerのアプリを使用して、催しやホテルの予約増につながるかどうかをテストしている。

 獣医師向けのサービスを提供するカナダLifeLearnは、Watsonの技術を利用した新しいモバイルアプリ「LifeLearn Sofie」を開発した。獣医師がさまざまな治療法の選択肢について調べることができる。ニューヨーク市の動物病院Animal Medical Centerでは、現在このアプリをテストしている。

 このほか、Watsonの技術を利用したサードパーティー製アプリには、小売業者向けアプリ、ITセキュリティやヘルプデスクの担当者向けアプリ、非営利団体の資金調達向けアプリ、医療業界向けアプリなどがある。

 IBMが今回ニューヨークに開設したWatson Group本部は、Watsonの新サービス開発に従事する600人の社員の拠点となる。また同社は、業界向けワークショップ、セミナー、交流会などもここで開催する計画だ。

 Watson Client Experience Centerは、ダブリン、ロンドン、メルボルン、サンパウロ、シンガポールに開設する。

(了)

翻訳:内山卓則=ニューズフロント
記事原文(英語)はこちら

↑ページ先頭へ