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医療IoTのセキュリティ、データ流出より大きな問題とは
2017/11/21
医師の中でも、特に救急救命室の医師には、度胸と冷静さが欠かせない。極めて深刻な病気やけがを診ることになるからだ。暴行や事故、重大な疾患に対処することも少なくない。

米カリフォルニア大学サンディエゴ校メディカルスクールの教員であるChristian Dameff氏は、そうした事例のすべてに経験があるが、それだけではない。同氏は医療IoTのセキュリティに精通したホワイトハッカーでもある。サンディエゴで現地時間2017年11月16日、カンファレンス「Security of Things World USA」の基調講演に登壇した同氏は、現在の医療IoTのセキュリティについて、率直に言って憂慮すべき状態だと注意を促した。
現代の医療はテクノロジーが支えているとDameff氏は言う。若手医師の中には、紙のカルテや処方箋、あるいはライトボックスにとめたレントゲン写真を扱ったことがない人も少なくない。今やすべてがデジタルだ。
「現代の医療はソフトウエアで動いている。抗生物質、X線、手術をひっくるめたのと同じくらい重要だ。技術的なシステムがなかったら、現在の医師は、脳卒中や心臓発作、外傷への対処は実質的にお手上げだ」